土居養二

土居 養二（1927-2006）

土居養二（どい ようじ）は、1927年2月27日生まれで、2006年8月22日に逝去した日本の著名な植物病理学者です。東京都に生まれ、東京大学農学部にて植物病理学を学ぶ中で、その後の研究キャリアに大きな影響を与える基礎を築きました。

経歴

土居は東京での青春を戦時中から戦後の混乱期に過ごし、1951年に東京大学農学部を卒業しました。卒業後は農林省農業技術研究所に就職しましたが、1954年には家業を継ぐために光学器機製造業に転職。その後、数年間は研究の道から離れましたが、1964年に東京大学に戻り、植物病理学講座で研究を再開しました。1971年には助教授に昇任し、1981年には教授として学生の指導と研究に尽力しました。

土居は特に電子顕微鏡やウイルスに強い興味を持ち、様々な植物ウイルスの研究に取り組みました。彼の研究で特に重要だったのは、「植物ウイルスの細胞内所見と分類の解明」であり、これにより植物病理学の発展に大きく貢献しました。

主な業績

彼の代表的な研究成果には、「クワ萎縮病」などの植物萎黄病の病原体に関する業績がありました。この研究では、従来ウイルス病と考えられていた病気の原因が、マイコプラズマ様微生物（MLO）であることを世界で初めて明らかにしました。この業績によって日本農学賞、学会賞、さらにはアメリカ植物病理学会からも評価されることとなりました。1978年には、日本学士院賞を共同で受賞し、学界での地位を不動のものとしました。

また、土居はジャガイモ葉巻ウイルスが師部局在性であることを明らかにしました。この研究により、他の微生物の特性や分類においても新たな知見を得ることができたのです。彼の研究は植物ウイルスの特性理解に重要な基盤を築きました。

さらに、彼は電子顕微鏡によるウイルス検出法や超薄切片法などの技術開発にも力を注ぎ、超微細構造解析の分野でも先駆的な仕事を行いました。

晩年と評価

1987年に東京大学を退官し、名誉教授の称号を受けた土居は、その後も学問と教育に対する情熱を持ち続けました。晩年は健康に不安を抱えつつも、それを乗り越えようとする強い意志を示しましたが、2006年に肺がんでこの世を去りました。享年79歳でした。

土居養二の教えを受けた門下生たちは、彼の精神を受け継ぎ、さまざまな分野で活躍しています。彼の業績は植物病理学の発展に寄与し、現在でも多くの研究者に影響を与えているのです。

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