土屋修平

土屋 修平

土屋 修平（つちや しゅうへい、1986年9月20日 - ）は、日本のプロボクサー、元キックボクサー。愛知県犬山市に生まれ、そのキャリアは波乱に富んでいます。第60代日本ライト級王者に輝いた経歴を持ち、角海老宝石ボクシングジムを経て、現在はDANGAN AOKIボクシングジム（旧Reason大貴ボクシングジム）に所属しています。

幼少期からキックボクサーへ

幼い頃からスポーツに親しみ、小学校1年生で空手を始めたのを皮切りに、野球やバスケットボール、高校時代にはラグビーを経験しました。大学に進学後、大東文化大学在学中に伊原道場の門を叩き、キックボクシングの世界へ。新日本キックボクシング協会でウェルター級4位まで駆け上がりました。キックボクサー時代からパンチを主体としたスタイルだったため、ボクシングへの転向を決意。いくつかのジムを巡る中、トレーナーからのチケットをきっかけに角海老ジムへの入門を果たしました。

鮮烈なプロボクシングデビュー

大学を卒業した後の2009年7月13日、後楽園ホールでの上野雄大戦でプロボクシングキャリアをスタートさせました。デビュー戦を1回KO勝利で飾ると、そこから快進撃が始まります。プロデビューからの快進撃は目覚ましく、驚異の12連続KO勝利を記録。その勢いのまま2010年には新人王トーナメントにエントリーし、東日本新人王戦を全試合2ラウンド以内のKOで制覇。全日本新人王決定戦では、対戦相手の三好祐樹選手から左フックでダウンを奪い、そのダメージにより相手が顎を骨折。1ラウンド終了後の棄権TKO勝利となり、全日本ライト級新人王の栄冠に加え、大会MVPにも選ばれました。

この活躍は注目を集め、2011年2月に行われた初の6回戦からは、テレビ局による中継が始まるようになります。初の8回戦、そして同年8月に行われた井岡一翔選手のセミファイナルでの初の10回戦でもKO勝利を収めましたが、この10回戦で左拳を負傷。これが原因で長期の戦線離脱を余儀なくされました。2012年3月に復帰戦を1回TKO勝利で飾り、連続KO記録を「12」に伸ばしました。

連勝ストップ、そしてキャリアの試練

2012年5月、ライト級王者ヘリ・アドリアント選手との一戦はメインイベントとして行われましたが、3ラウンドにダウンを奪うもKOには至らず、判定勝利。連続KO記録は「12」でストップしました。その後も判定勝利を重ね、デビューからの連勝を「14」まで伸ばしました。

キャリアの大きな転換点となったのは、2013年2月の川瀬昭二選手との一戦です。初回にダウンを奪い主導権を握るかに見えましたが、その後相手の反撃に遭い、9回にロープ際で連打を浴びてレフェリーストップによるTKO負け。デビュー以来続いていた連勝記録は「14」でストップしました。続く同年7月の中谷正義選手との試合でもKO負けを喫し、プロ入り初の連敗を経験します。しかし、同年12月の再起戦では、ドクターストップによるTKO勝利を収め、連敗を「2」で食い止めました。

海外挑戦と再起の道のり

2014年4月、自身初の海外遠征としてオーストラリアへ渡り、世界ランカーであるレニー・ザッパビーニャ選手と空位のWBOオリエンタル王座を懸けて対戦。試合は、偶然のバッティングによるカットやダウンを喫するなど苦しい展開となりましたが、激しい打撃戦を展開し会場を沸かせました。結果は10回TKO負けとなりましたが、試合後、地元のボクシングメディアからは「ザッパビーニャにとって最もタフで勇敢な相手」と称賛され、この一戦が興行の主役を食ったと報じられるなど、敗れはしたもののそのファイトは高く評価されました。

帰国後の2014年7月の再起戦では、初回TKO勝利で復活を印象付けましたが、同年11月には原田門戸選手との激しい試合の末に判定負けを喫するなど、一進一退の状況が続きます。

日本ライト級王座獲得

2015年に入り、再び調子を取り戻し始めます。3月にはKO勝利、7月にはタフな相手に判定勝利を収め、ランキングを維持しました。そして、同年12月にはスーパーライト級ランカーとの対戦で初回TKO勝利を飾り、「KOキング」健在をアピール。この勝利により、日本ライト級ランキングの上位に進出します。

2016年も勢いを維持し、4月には初回TKO勝利を収め、日本ランキング1位となることが確実視されます。試合後には王者への対戦をアピール。同年9月にはサウスポーとの対戦を経験し、判定勝利。順調に王座挑戦へと向かうかに見えましたが、王者がタイトルを返上したことで状況が急変。ランキング2位の野口将志選手と王座決定戦で戦うこととなりました。

そして迎えた王座決定戦では、多くの予想を上回る圧巻のパフォーマンスを披露。2度にわたるダウンを奪い、最後は相手をマットに沈めるKO勝利で、悲願の第60代日本ライト級王座を獲得しました。

王座陥落、そして引退・復帰

日本チャンピオンとなった土屋選手は、2017年3月に西谷和宏選手を相手に初防衛戦を行います。白熱の打撃戦となりましたが、8回TKO負けを喫し、王座から陥落しました。同年6月に行われた試合で判定勝利を収めた後、リング上で一度目の引退を表明しました。

しかし、ボクシングへの情熱は尽きず、2019年にReason大貴ジム（現DANGAN AOKIジム）に所属して現役復帰を表明。復帰戦が一度中止になった後、2020年に2試合を行いますが、いずれも敗戦となりました。

戦績・人物像

キックボクサーとしては13戦8勝4敗1分の戦績を残しました。プロボクサーとしては30戦23勝（18KO）7敗の戦績をマーク。デビューからの連続KO記録、全日本新人王MVP、そして日本ライト級王座獲得など、そのキャリアはKOの山を築く一方で、敗北や挫折も経験した波乱に富んだものでした。勝利時にはバック宙を披露するのが恒例となっており、そのダイナミックなパフォーマンスもファンに愛されました。

王座獲得後のインタビューで語った「負けてからがボクシング」という言葉は、自身のキャリアを通じて得た深い経験に基づくものであり、多くの人々に感銘を与えました。トレーナーは田中栄民氏、佐藤直樹氏、小堀佑介氏が担当。マネジメント契約はスターポリスと結んでいました。入場曲はSPANKERSの「セックス・オン・ザ・ビーチ」でした。

• - キックボクシング戦績：13戦 8勝 4敗 1分
• - プロボクシング戦績：30戦 23勝(18KO) 7敗

主な獲得タイトルは、第57回全日本ライト級新人王（大会MVP）、そして第60代日本ライト級王者です。

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