在アルジェリア日本人

アルジェリア在住の日本人

アルジェリアに在住する日本人の多くは、企業駐在員とその家族で構成される小規模なコミュニティを形成しています。かつて1978年には3,234人もの日本人がアルジェリアで生活していましたが、1990年代の内戦勃発を機にその数は激減しました。1994年にはわずか44人まで減少しましたが、その後、徐々に増加に転じ、2008年には816人、2009年10月時点では954人が在留しています。

日本とアルジェリアの経済関係

日本は、アルジェリアの豊富なエネルギー資源と、大規模な市場としての潜在力、経済開発における協力に関心を寄せています。アルジェリアは日本企業にとって重要なプラント市場であり、両国間の経済関係はプラント建設とエネルギー分野を中心に展開されています。

1964年、アルジェリア独立から2年後には、伊藤忠商事が首都アルジェに事務所を開設しました。1965年にクーデターで大統領に就任したフワーリー・ブーメディエンは、伊藤忠商事と日揮に対して天然ガスや石油などのエネルギー事業を発注しました。1969年には、両企業がアルズー製油所の建設プロジェクトを、当時の日本輸出史上最高額となる6900万ドルで落札しました。

2009年から2014年にかけて、日本はアルジェリアの五カ年計画に対し、インフラ整備を中心に2860億ドルもの投資を行いました。アルジェリアに在住する日本人の多くは、このような日本企業の駐在員として、様々なプロジェクトに関わっています。しかし、最近では、日本企業が契約条件を満たせなかったという理由で、アルジェリア政府が道路建設プロジェクトに関する12億ドル（約1000億円）の支払いを保留にする事例も発生しています。

日本人コミュニティの現状

アルジェリア在住の日本人コミュニティは、海外駐在員とその家族が中心であるため、比較的閉鎖的な環境です。しかし、近年では、日本企業の進出に伴い、その数は増加傾向にあります。駐在員たちは、アルジェリアの文化や生活習慣を理解しながら、様々なプロジェクトに貢献しています。

参考資料

私市正年 著「解放戦争が生んだ連帯――日・ア友情の始まり」、私市正年 編『アルジェリアを知るための62章』（初版）明石書店、東京〈エリア・スタディーズ73〉、2009年4月30日、252-258頁。
伊藤忠アルジェ事務所 著「日本とアルジェリアをつなぐ架け橋――日本人ビジネスマンの奮闘1 伊藤忠商事」、私市正年 編『アルジェリアを知るための62章』（初版）明石書店、東京〈エリア・スタディーズ73〉、2009年4月30日、263-269頁。

関連項目

日本・アフリカ関係
アフリカに関する外交政策

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