地域主権戦略会議

地域主権戦略会議について

地域主権戦略会議（ちいきしゅけんせんりゃくかいぎ）は、日本の内閣府に設立された特殊な機関です。この会議は、地域の問題を地域住民自身が解決する「地域主権」を迅速に実現するために設置されました。設立は2009年11月17日の閣議決定に基づき、地方分権改革推進委員会の勧告を反映することを目的としていました。さらに、地域主権を強化するための施策を検討し実施する役割を持っていました。結局、2012年12月の第2次安倍内閣の発足に伴い、この会議は2013年3月に解散され、地方分権改革推進本部が新たに設置されました。

会議の構成と運営

2012年時点では、地域主権戦略会議には各界の有識者が集まりました。例えば、前田正子氏（甲南大学教授）や盛泰子氏（伊万里市議会議員）など、地域主権に関連する専門知識を持つ人々が参加しました。会議の進行は、原口プランに基づく工程表が設けられ、地域主権を推進するための具体的な段階が定められました。

フェーズI（2010年6月まで）：推進体制の確立と「地域主権戦略大綱」の策定
フェーズII（2012年夏まで）：大綱の実現と関連法の成立、関連改革の全面的な見直し

主要課題

地域主権戦略会議は地域分権改革に関する重要な課題について、担当主査を指名し、迅速な議論を進めました。例えば、義務付け・枠付けの見直しや基礎自治体への権限移譲、ひも付き補助金の一括交付金化、出先機関の抜本的改革など、多岐にわたるテーマが取り扱われました。特に義務付け・枠付けは、国が地域自治体に対し法律によって細かく規制する行為であり、地方自治体の自立性を高めるためにその見直しが求められました。

義務付け・枠付けの見直し

地域主権戦略大綱に基づく見直しでは、具体的に370項目の中で308項目が見直されることとなりました。しかし、地方の要望に応じたいくつかの項目は見直されなかったため、さらなる検討が必要とされました。これにより、地方自治体の政策の自由度を拡大し、住民に対する責任の範囲を明確にすることが期待されました。

基礎自治体への権限移譲

「補完性の原則」に基づき、行うべき事務は地域に身近な自治体に任せ、各府省から基礎自治体への権限移譲が検討されました。その結果、地域主権戦略大綱では82項目のうち59項目が権限移譲の結論となりました。しかし、地方団体からはより積極的な権限移譲を求める声が上がりました。

ひも付き補助金の改革

ひも付き補助金とは特定の用途に使うことが義務付けられている国から地方に支出される資金のことを指します。これらを廃止し、地方自治体が自由に使える一括交付金にするという考え方は、地域主権を強化する一環として位置づけられました。地域でのニーズに応じた施策を展開できるよう、国の事前関与を減らし、事後チェックの重要性を強調しました。

出先機関の改革

出先機関は二重行政の問題を解決するため、原則として廃止を目指しました。この改革に伴い、公開討議を実施し、様々な関係者から意見を聴取しました。

今後の展望

地域主権戦略会議の活動は短期間での終了となりましたが、その影響は地方分権改革に対する意識の高まりとして受け継がれています。国と地方の役割分担の明確化が引き続き求められ、地域のニーズを最優先に考えた制度設計が進められていくことでしょう。地域の声に応えることで、より充実した地域社会の実現が期待されます。

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