地域団体加入電話

地域団体加入電話と地域集団自動電話について

地域団体加入電話は、日本電信電話公社が一部の地域において導入した固定電話のひとつであり、特に農村部で一般加入電話の普及が遅れていた時期に設立されました。これは、地域の居住者同士が密接に結びついていることを背景にしており、社会的または経済的な結びつきが強い地域の組合が申請可能でした。

1958年に公衆電気通信法が改正され、地域団体加入電話が法制化されると、日本全国で正式に運用が始まりました。これにより、電話サービスの普及が期待されましたが、その形態は構内交換機に酷似していました。通話内容は共同で利用されるため、電話の接続が困難になるという問題も抱えていました。特に通話量が増えた地域では、電話がつながりにくくなる傾向が顕著でした。

1979年以降、電話交換機の老朽化問題も重なり、地域団体加入電話は急速に一般加入電話に置き換えられることに。1985年には、電気通信事業法の施行に伴い、法制度上も廃止されましたが、日本電信電話株式会社の契約約款には1996年1月まで残っていました。

地域団体加入電話の構造と料金体系

地域団体加入電話は、3～10の加入者で共有する共同電話の形式を取っており、個別呼び出しが可能でした。しかし、初期のものには秘話機能がなく、後にその機能が追加されました。また、加入者数が減ることで電話の品質も改善されました。一般加入電話よりも設備設置負担金と月額基本料金が安価であり、通話料も組合によって集計されて公社に支払われる仕組みでした。

この電話の利用料金は、組合内の通話が主に通話数に基づいて計算され、外部の一般電話への通話は一般の料金制度が適用されました。しかし、地域団体加入電話に関連する権利や組合員の持分は質権設定や差し押さえができないという制限もありました。

地域集団自動電話の特徴

一方、地域集団自動電話は、加入者と公社との直接契約に基づき運営されていました。これは、集まった申し込みに基づいて契約が履行され、工事が始まった後の追加契約はほぼ受け付けられない形態でした。1964年には農村集団自動電話と称され、後に1969年には法改正によって一般の集団電話として統合され、地域集団電話という名称でも知られました。

この電話も一般加入電話と比較して設置費用が安く、デザインも特徴的であり、電話機のフックボタンが独特の色合いを持っていました。一般的な電話とは異なる仕様を持ち、地域密着型の電話サービスの一環として特別な位置を占めていました。特に、農村部では市外通話が直接ダイヤルできないという形式もありました。

農村集団自動電話と団地自動電話

農村集団自動電話は、さらに特化した電話で、農村特別区域に設置され、加入者線を共用する形になるため、月額基本料金に市内通話が含まれていました。ただし、市外通話に関しては一般の料金体系が適用されていたため、利便性が限られていました。

加えて、団地自動電話という形態も登場し、特定の集団住宅に住む180名以上が共同で契約することで設置されました。移転や譲渡は団地内に限られており、受けられるサービスは主要な通話体系に則っていました。

まとめ

地域団体加入電話は、日本における電話普及の歴史の中で重要な役割を果たしましたが、技術の進展と一般加入電話の普及に伴い、徐々にその役割を終えました。これらの電話サービスは、特に農村部における通信インフラの発展と、地域の結束を象徴するものでした。

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