地域農林経済学会

地域農林経済学会

地域農林経済学会（英語名称: The Association For Regional Agricultural And Forestry Economics、略称: ARFE）は、日本国内に基盤を置く歴史ある学術研究団体の一つです。学会の種別としては、特定の分野に特化した単独学会に分類されます。

設立と沿革

本学会は、戦後日本の農林業が新たな課題に直面する中で、その経済的・社会的な問題を学術的に解明し、より良い方向へ導くことを目指し、1951年11月に設立されました。設立当初は「関西農業経済学会」として発足し、主に西日本地域を中心に活動を展開していました。その後、研究対象や会員層の広がりとともに、活動の全国的な広がりを反映させる形で、1989年に現在の名称である「地域農林経済学会」へと改称し、今日に至ります。

目的と活動

地域農林経済学会の主要な目的は、それぞれの地域が持つ固有の状況や実態に深く根差し、農林業が抱える様々な経済的および社会的な問題について、学術的な探求を行うことです。具体的には、農業経済学、林業経済学、農村社会学、地域研究などの学際的な視点を取り入れながら、農林業の構造変化、市場問題、土地利用、環境問題、担い手育成、地域活性化といった広範なテーマに関する研究を進めています。これらの研究活動を通じて得られた知見や政策提言は、日本の農林業の持続可能な発展に寄与することを目指しています。学術集会や研究会などを定期的に開催し、会員間の研究交流を促進するとともに、研究成果の社会への発信にも努めています。

国内外との連携

本学会は、国内外の関連学術団体との連携を重視しています。国内においては、農学分野の主要な学会を網羅する日本農学会に加盟しており、他の農学関連分野との交流を図っています。また、国際的な学術交流を推進するため、農業経済学分野における世界的な組織である国際農業経済学会（IAAE: International Association of Agricultural Economists）にも加盟しており、国際的な研究動向の把握や、日本の農林業研究成果の海外への発信にも力を入れています。

主要刊行物

地域農林経済学会は、学術研究の成果を広く共有するため、機関誌として『農林業問題研究』（英文誌名: Journal of Rural Problem）を刊行しています。本誌は1965年に創刊された歴史あるジャーナルであり、農林業に関する経済・社会分野の査読付き論文を掲載しています。使用言語は日本語と英語の混在であり、国内外の研究者にとって重要な情報源となっています。発行形態はeジャーナルを基本としており、オンラインでのアクセスが可能です。著作権は学会に帰属しており、原則として無料で購読することができます。これは、研究成果を多くの研究者や実務家、さらには一般社会に広く普及させたいという学会の意向を反映しています。本誌の刊行を通じて、農林業問題に関する学術研究のさらなる発展と普及に貢献しています。

地域に根差した視点と学術的な厳密性を兼ね備えた研究活動を通じて、地域農林経済学会は日本の農林業と農村社会の発展に重要な役割を果たし続けています。

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