地方職員共済組合

地方職員共済組合

地方職員共済組合（ちほうしょくいんきょうさいくみあい）は、日本の公務員に関連する共済組合の一つです。この組織は、「地方公務員等共済組合法」を設立根拠とし、主に各道府県に勤務する職員や、地方公共団体と関連のある特定の団体に所属する職員を組合員として構成されています。日常的には、「地方共済」あるいは「地共済」といった略称で呼ばれることがあります。

全国の道府県職員などが加入対象となりますが、東京都においては、独自の東京都職員共済組合が存在するため、東京都の職員はこの地方職員共済組合の組合員とはなっていません。

地方職員共済組合の歴史は、戦前にまでさかのぼることができます。その前身は、1941年2月に当時の「政府職員共済組合令」に基づき発足した「内務職員共済組合」です。第二次世界大戦後、法体系の再編を経て、1948年7月1日には「国家公務員共済組合法」に基づいて「地方職員共済組合」と名称が変更されました。その後、組織の体制は変遷を重ね、1962年12月には現在の組織形態が確立されました。

地方団体関係団体に勤務する職員を対象とする共済組織も別に存在しており、これは1964年10月1日に設立された「地方団体関係団体職員共済組合」がその始まりです。この別組織は、1982年4月1日に解散することとなり、その際に有していた全ての権利と義務は地方職員共済組合に引き継がれました。これに伴い、地方職員共済組合の内部に「団体共済部」が設けられ、関連団体職員向けの共済事業も一体的に運営されるようになりました。

地方職員共済組合は、健康保険や年金といった共済事業のほか、組合員およびその家族の福利厚生の向上を目的とした事業も実施しています。その一つが、宿泊施設である「旅の宿」の運営です。これらの施設は、組合員等が利用できる保養所として全国各地に設置されています。また、組合員に交付される健康保険証などに記載される保険者番号は、「32」で始まる8桁の数字で構成されています。

現在運営されている「旅の宿」には、以下のような施設があります（一部抜粋）。

青森県：ラ・プラス青い森（※現在休館中）
岩手県：エスポワールいわて、清温荘
秋田県：ルポールみずほ
山形県：あこや会館
福島県：杉妻会館
栃木県：ニューみくら
埼玉県：別所沼会館
千葉県：プラザ菜の花
東京都：ホテル ルポール麹町
愛知県：アイリス愛知、サンヒルズ三河湾
滋賀県：ホテルピアザびわ湖
京都府：御所西 京都平安ホテル
* 兵庫県：瑞宝園

かつて「旅の宿」として運営されていたものの、現在は閉館している施設も存在します。例として、広島県の鯉城会館は2022年3月に閉館しました。また、香川県のルポール讃岐も既に閉館しています。

地方職員共済組合は、これらの事業を通じて、組合員とその扶養家族の生活安定と福祉の増進に寄与しています。

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