地方農政事務所

地方農政事務所について

地方農政事務所とは、日本の農林水産省の出先機関であり、地方農政局の業務を一部分担する役割を持って設置されていました。具体的には2003年7月1日に設立され、2011年9月1日まで存続していました。廃止後は、その機能が地域センターに再編され、現在では各都道府県ごとに県域拠点が設置されています。特に北海道では本省に直属する北海道農政事務所が運営されており、沖縄県においては沖縄総合事務局の農林水産部が役割を担っていたため、地方農政事務所は設置されていないという特徴があります。

沿革と再編

創設とその位置づけ

地方農政事務所の設置の背景には、食糧庁の廃止がありました。これは2003年7月1日に実施され、旧食糧庁の業務が農林水産省に統合されました。具体的には、旧食糧事務所が所轄していた地方における業務は、各地域ごとに県域単位で管理される新組織へと編成され、地方農政事務所が設立されました。この事務所は、地方農政局が所在する府県を除く各都府県に1つずつ設置されました。

地方農政事務所内では、地域課が設けられ、これが地域に関する業務を担当しました。県庁所在地周辺は別途本所が管理し、一部の課が実施するという形を取りました。特に、支所を置かずに内部の課を設置し、地域の事業を遂行するのが特徴的です。

所管業務の変遷

創設当初、農政事務所は旧食糧事務所が実施していた主な業務を引き継ぎ、同時に新設された消費・安全局の地域業務も受け持ちました。また、2006年からは統計・情報センターの一部を統合し、農政事務所の業務が拡大されました。この際、庁舎の統合は行われず、業務の分担の効率化が図られました。

廃止と地域センターへの再編

2011年9月1日、地方農政事務所は廃止され、これに伴い地域センターおよびその各支所が再編成されました。この再編成では、農政と統計の両業務を統合した大規模な体制を整えることが求められ、地域センターは全国で65か所、その支所は38か所となりました。この変遷は、食品検査に関する不適切な体制が指摘されたことがきっかけとなりました。

地域センターの県域拠点への再編

さらに、2015年には地域センターが再び廃止され、都道府県庁所在地に県域拠点が設けられました。この新しい体制では、地域農政局の業務は本局に集約され、より効率的な業務展開が期待されるようになりました。

年表

• - 2003年: 食糧事務所が改組され、地方農政事務所が設置。
• - 2006年: 統計・情報センターが一部統合され、農政事務所の業務が拡大。
• - 2011年: 地方農政事務所が廃止され、地域センターへと改組。
• - 2015年: 地域センターが廃止され、県域拠点が設置される。

組織

地方農政事務所は様々な部門で構成され、業務を効果的に遂行していました。各課は特定の業務を担い、消費者対応部門や食糧関連部門、さらには統計業務を統括する役割を担っていました。

地方農政事務所は、日本の農業政策を地域に根ざして実施するための重要な機関でしたが、その後の組織再編を経て、新たな形で地域農業の支援を行っています。

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