地球に落ちて来た男

地球に落ちて来た男

『地球に落ちて来た男』（原題：The Man Who Fell to Earth）は、1976年にイギリスで制作されたSF映画です。この作品は、ウォルター・テヴィスの小説を基にしており、監督はニコラス・ローグが務めました。デヴィッド・ボウイが主演することで知られ、彼の映画デビュー作でもあります。ボウイはこの作品で第4回サターンSF映画賞の主演男優賞を受賞しました。最初の上映時間は119分でしたが、1999年には139分の完全版が公開されました。

あらすじ

物語は、ニューメキシコ州の湖に降り立った宇宙船から始まります。その宇宙船から脱出したのは、トーマス・ジェローム・ニュートンという名の異星人です。トーマスは、地球の古物商に立ち寄り、イギリスのパスポートを提示し、自らの指輪を売却します。その後、彼は河辺で水を求めて飲み干し、その乾いた様子から彼の異星での厳しい環境を想像させます。

トーマスは特許法の弁護士であるオリバー・ファーンズワースのもとに向かい、自ら持ってきた書類を見せます。ファーンズワースが驚愕したその書類には、9つの特許を取得可能な技術が記されており、それによって生まれる利益は3億ドルを超えると予想しています。このことから、トーマスは新たな会社「ワールド・エンタープライズ」を設立し、飛躍的に富を築くことになります。

大学教授ネイサン・ブライスは、学生たちとの関係に悩みながらも出世ができずにいました。そこで彼は、ワールド・エンタープライズ社のカメラに目をつけ、その技術力に魅力を感じて入社することにします。

トーマスがニューメキシコに戻ると、宿泊先のホテルで突然失神してしまいます。そこで従業員のメアリー・ルーに介抱され、この経験をきっかけに二人は恋愛関係になります。しかし、トーマスは妻子を持つことをメアリーに告げており、彼女の心に影を落とすことになります。

影響力を持つトーマスは、宇宙船の建設を開始しますが、彼の不気味な行動を不審に思ったブライスは、彼の正体を探り始めます。最終的には、トーマスが故郷の水資源を持ち帰るために地球に来た宇宙人であることが明らかになります。彼の異星での目的は、砂漠化した星を救うことでした。

トーマスの計画が進む中、ファーンズワースは企業間の妬みから脅迫を受け、やがて彼は暗殺されてしまいます。トーマスもブライスの裏切りによって拉致され、非人道的な扱いを受けることになります。

数年後、メアリーはトーマスを探し続け、ついに彼を見つけますが、彼はすっかり様変わりしてしまっていました。最終的に、彼は監禁から逃れることができるものの、かつての夢を失っていくのです。

この映画は、異星人の孤独や願望を描いた作品として評価され、2015年にはオフブロードウェイで舞台化されるなど、今なお多くの人に影響を与えています。

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