地球の太陽面通過 (木星)

木星から見た地球の太陽面通過

木星において、地球が太陽の手前を横断する様子を観測できる天文現象を「地球の太陽面通過」と呼びます。これは、木星と太陽を結ぶ直線上に地球が入り込むことで、地球が太陽面を小さな黒い点として通過して見える現象です。

発生頻度と周期

地球の太陽面通過は、比較的短い間隔で発生します。約6.5年を周期として起こるのが一般的ですが、地球の軌道が太陽面（黄道面）に対してわずかに傾いているため、必ずしも太陽面を通過するわけではありません。このため、太陽面通過が観測できない周期が存在し、約12年、約29.5年、あるいは約41.5年といった長い間隔となることもあります。

広範な期間で見ると、紀元前125000年から西暦125000年までの25万年間には、合計で23635回の地球の太陽面通過が発生すると予測されています。

現象が発生する時期は、地球と木星の公転周期の関係から決まったパターンが見られます。現在は主に6月後半から7月前半にかけて、または12月後半から1月前半にかけて発生します。ただし、この発生時期は非常にゆっくりと変動しており、例えば1587年1月1日以前は6月と12月、2814年6月30日以降は1月と7月にのみ発生するようになります。

直近では、前回は2014年1月5日に発生しており、次回は2026年1月10日に観測される予定です（日付は最大食時、UTC基準）。

月の太陽面通過との関連

地球には衛星である月が非常に近い距離で公転しているため、木星から見た場合、地球の太陽面通過が起こる際には、多くの場合で月の太陽面通過も同時に発生します。つまり、太陽面を横切る地球の傍らを、月もまた通過していく様子が見られます。

しかし、地球と月のわずかな位置関係の違いにより、稀に地球だけが太陽面を通過し、月は通過しないケース、あるいは月だけが通過し、地球は通過しないケースも存在します。
地球のみが太陽面を通過した直近の例は1384年12月8日、次回の予測は2570年12月28日です。一方、月のみが太陽面を通過した直近の例は1432年12月26日、次回の予測は2816年7月13日とされています。

他の惑星との同時太陽面通過

木星から見て、地球と月だけでなく、他の惑星が同時に太陽面を通過するという、さらに稀な現象も起こり得ます。

水星との同時通過
地球および月の太陽面通過が、水星の太陽面通過と同時に起こることは極めて珍しい現象です。このような三者同時通過の直近の例は紀元前78303年9月25日まで遡り、次回の予測は23250年1月14日となっています。
また、非常に稀なケースとして、水星と地球のみが通過し月が通過しない現象も存在し、23576年7月17日に予測されています。反対に、水星と月のみが通過し地球が通過しない現象もあり、これは26571年2月20日に予測されています。

金星との同時通過
金星の太陽面通過が、地球および月の太陽面通過と同時に起こる現象も極めて稀です。過去には紀元前13193年11月9日に発生した記録があり、次回の予測は37807年10月26日とされています。
さらに稀なケースとして、金星と地球のみが通過し月が通過しない現象があり、26297年1月6日に予測されています。金星と月のみが通過し地球が通過しない現象もあり、こちらは36811年10月24日に予測されています。

特筆すべき事例

1586年末から1587年始にかけての太陽面通過は、やや特殊な事例として知られています。この時、木星から見ると、まず1586年12月31日の23時45分（UTC）頃に月が太陽面通過の最大食を迎えました。続いて、日付が変わった1587年1月1日の3時21分（UTC）頃に地球が最大食を迎えるという形で、月と地球が年をまたいで連続して太陽面を通過しました。

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