地球の太陽面通過 (海王星)

海王星における地球の太陽面通過

海王星から観測した場合に、地球が太陽の円盤上を横切って見える天文現象を指します。これは、海王星と太陽のちょうど間に地球が位置することで発生します。

発生頻度と周期

この天文現象は、非常に長い期間で見ると数多く発生します。例えば、紀元前125000年から西暦125000年までの約25万年間においては、33187回の地球の太陽面通過が計算されています。直近では2006年8月11日に観測され、次に起こるのは2082年1月25日と予測されています。

発生の周期には規則性があり、およそ76.5年、およそ7年、およそ74.5年、そしておよそ7年というパターンで繰り返される特徴があります。

特に注目されるのは約7年の周期です。現在を基準とした前後数千年という期間では、この約7年間におよそ1年おきに現象が発生し、合計で7回の通過が見られます。ただし、発生時期によってこの回数は変動し、例えば2000年以降および2082年以降の約7年周期では、現象の発生は6回となります。また、さらに長期的な視点で見ると、約7年という短い期間中に連続して発生する通過の回数自体も、時代によって変動することが確認されており、例えば西暦4303年以降の周期では、連続発生回数が8回に増えると予測されています。

この周期性により、現象が発生する特定の「月」が時代によっておおよそ定まってくるという特徴があります。例えば、西暦2658年の通過は8月に起こりますが、その後の約7年間の周期（2658年から2665年まで）で発生する通過は、ほぼ1年ごとの出現となり、いずれも8月に見られます。その後、約74.5年を経て発生する西暦2740年の通過は、以前の8月からおよそ半年ずれ、2月に観測されることになります。このように、現象が発生する月は長い年月をかけて少しずつずれ動いていき、特定の約7年周期の間に発生月が異なることもあります。具体的には、2000年の通過は7月末でしたが、この周期内の2002年は7月、2003年には8月と、発生月が変化する例が見られます。

月の太陽面通過との関連

地球の衛星である月は、地球から比較的近い位置にあるため、海王星から見て地球が太陽面を通過する際には、多くのケースで月も同時に太陽面を通過します。しかし、まれなケースとして、地球だけ、あるいは月だけが太陽面を通過し、もう片方が通過しないという状況も発生します。

地球のみが通過: 直近の例は1752年1月21日、次回の予測は2336年8月16日です。
月のみが通過: 直近の例は855年7月31日、次回の予測は3324年8月27日です。

他の天体との同時太陽面通過

さらに稀な現象として、地球と月の太陽面通過が、同時に他の惑星の太陽面通過と重なるケースも存在します。

水星との同時通過: 地球・月・水星の3天体が同時に太陽面を通過することは極めて稀です。このような同時通過の直近の例は紀元前46782年8月20日、次回の予測は西暦20814年6月18日です。また、極めてまれな事例として、紀元前48344年2月12日には水星と地球だけが太陽面を通過し、月は通過しませんでした。
金星との同時通過: 地球・月・金星が同時に太陽面を通過することも、水星の場合と同様に極めて稀です。直近の例は紀元前23504年4月24日、次回の予測は西暦66012年6月26日です。また、17678年4月23日には金星と地球だけが太陽面を通過し月は通過しないという事例がありました。さらに、紀元前22435年10月26日には金星と月だけが通過し地球は通過しないという非常に珍しい事例も記録されています。
* 火星との同時通過: 地球・月・火星が同時に太陽面を通過する現象も極めて稀です。直近の例は紀元前124600年1月1日、次回の予測は西暦21845年10月7日です。

これらの情報は、主に出典として示されている天文計算に基づいています。

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