地球温暖化対策の推進に関する法律

地球温暖化対策の推進に関する法律（温対法）について

地球温暖化対策の推進に関する法律（以下、温対法）は、日本における地球温暖化対策を総合的に推進するための基本的な枠組みを定める法律です。1998年10月9日に公布され、地球温暖化問題への対応を強化するため、数度の改正を経て現在に至っています。通称として、地球温暖化対策推進法や温対法と呼ばれています。

目的

この法律は、地球温暖化対策を推進し、持続可能な社会の実現に貢献することを目的としています。温室効果ガスの排出削減目標の設定や、対策計画の策定、温室効果ガス排出量の算定・報告制度の導入、国際協力の推進など、多岐にわたる対策を包括的に規定しています。

沿革

温対法は、国際的な地球温暖化対策の動向や国内の状況変化に対応するため、以下の通り改正を重ねてきました。

平成10年成立：京都議定書の採択を受けて、国内対策の枠組みを定めました。
平成14年改正：京都議定書目標達成計画の策定や、地球温暖化対策推進本部を法定化しました。
平成17年改正：温室効果ガス算定・報告・公表制度を創設しました。
平成18年改正：京都メカニズムに関する制度を整備しました。
平成20年改正：排出抑制等指針の策定や、地方公共団体実行計画の策定事項を追加しました。
平成25年改正：京都議定書目標達成計画に代わる地球温暖化対策計画の策定や、三フッ化窒素（NF3）を温室効果ガスに追加しました。
平成28年改正：普及啓発と国際協力の強化、地方公共団体実行計画の共同策定を可能としました。
令和3年改正：温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を定め、脱炭素社会の実現を基本理念に規定しました。

構成

温対法は、以下の章で構成されています。

第1章 総則：法律の目的や基本理念を定めています。
第2章 地球温暖化対策計画：政府が策定する地球温暖化対策計画について規定しています。
第3章 地球温暖化対策推進本部：政府の対策推進体制について定めています。
第4章 政府実行計画、地方公共団体実行計画等：国や地方公共団体の実行計画について規定しています。
第5章 事業活動に伴う排出削減等：事業者の排出削減義務などを規定しています。
第6章 株式会社脱炭素化支援機構による対象事業活動の支援等：脱炭素化を支援する機構について規定しています。
第7章 地球温暖化対策の普及啓発等：国民への普及啓発や国際協力について規定しています。
第8章 森林等による吸収作用の保全等：森林などの吸収源対策について規定しています。
第9章 割当量口座簿等：排出量取引における割当量の管理について規定しています。
第10章 雑則：その他の事項について規定しています。
第11章 罰則：法律違反に対する罰則を定めています。

算定割当量

この法律において、「算定割当量」とは、二酸化炭素1トンを表す単位で表記される、以下の数量を指します。

京都議定書第3条7に規定する割当量
京都議定書第6条1に規定する排出削減単位
京都議定書第12条3（b）に規定する認証された排出削減量

主務官庁

温対法に関する主務官庁は、以下の通りです。

環境省
経済産業省
事業所管官庁

関連項目

地球温暖化対策推進本部
京都議定書目標達成計画
気候変動枠組条約
京都議定書

外部リンク

地球温暖化対策の推進に関する法律施行令 - e-Gov法令検索
地球温暖化対策の推進に関する法律施行規則 - e-Gov法令検索
地球温暖化対策推進法と地球温暖化対策計画 - 環境省

この法律は、地球温暖化という喫緊の課題に対処するために、日本が取り組むべき対策の根幹をなす重要な法律です。

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