地理空間学会

地理空間学会について

地理空間学会（Japan Association on Geographical Space、略称：JAGS）は、地理学と地理教育の発展を目的とする日本の学会です。事務局は筑波大学大学院生命環境科学研究科の地球環境科学専攻内に設置されており、研究や教育の機会を提供しています。

地理空間の概念

「地理空間」という用語は1970年代のフランスで登場した地理学の重要な概念で、多面的で広範な地理的な探究を含んでいます。その革新的な特性から、この名称は学会名や刊行物である会誌のタイトルとしても採用されています。

会員制度

学会には一般会員、大学院生会員、学生会員の3種類があり、すべての会員が会誌の配布を受けられ、様々な事業に参加することが可能です。このように、幅広い層が参加できる環境を整えることで、会の発展を促しています。

組織と運営

地理空間学会の運営は規則に基づいており、会長1名、会計監査2名、および常任委員5名前後が選出されます。評議員はおおよそ30名の規模となっています。例えば、2012年度から2013年度の役員には、会長に内山幸久氏、会計監査に手塚章氏と矢ケ﨑典隆氏、常任委員に山下清海氏などが名を連ねました。

常任委員会

学会内には庶務委員会、会計委員会、集会委員会、編集委員会が存在し、これら委員会の委員長と常任委員長で構成される常任委員会が重要な役割を果たしています。この委員会は学会事務局も管理下に置き、円滑な運営を支えています。

学術大会

地理空間学会は毎年1回、春に学術大会を開催しており、通常6月に実施されます。過去の大会会場には筑波大学や神奈川大学が含まれ、初回大会は口頭発表のみでしたが、2回目以降はポスター発表が導入されました。大会では、発表や懇親会が行われ、参加者同士の交流も促進されています。

機関誌「地理空間」

学会の機関誌『地理空間』は2008年に創刊され、年2回の頻度で発行されています。投稿原稿には論説や調査報告、展望、研究ノート、フォーラム、資料、書評などの多様な形式があります。多くの論文は日本語で執筆されていますが、英語論文も掲載されており、国際的な視野を持っています。特に、特定のページ数を超える場合の投稿料が変更された経緯があり、利用者に配慮した制度設計がなされています。

歴史と背景

地理空間学会のルーツは1924年に設立された「東京高師地理学会」にまで遡ります。この学会は後に「大塚地理学会」と改称され、地誌学派を形成する重要な機関でした。しかし、時を経て学会は消滅しました。本学会はこの伝統を受け継ぎ、2008年に正式に発足したことを明確にしています。

設立総会での81名の出席者が学会の立ち上げに貢献し、初回大会を開催するなど、地理学の発展に向けた基盤を築いてきました。2013年には日本学術会議の協力学術研究団体にも指定され、さらなる成長が期待される組織となっています。

地理空間学会は、地理学の研究を推進し、教育機関や参加者に多様な学びを提供することで、地理学の魅力を広める役割を果たしています。

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