地蔵寺 (下呂市)

地蔵寺について

岐阜県下呂市宮地にある地蔵寺は、金錫山を山号とする臨済宗妙心寺派の寺院です。本尊は延命地蔵菩薩で、この地蔵菩薩は胎内仏を持つ珍しいものです。建立は永禄2年（1559年）で、当時の領主であった三木良頼が、禅昌寺三世の仁谷智腆を開山として創建しました。

本尊について

本尊の延命地蔵菩薩は、その由来について興味深い伝承があります。かつて祖中という人物が、亡くなった子息の菩提を弔うために背負って行脚していたところ、この地で急に重くなり動けなくなったため、この地に安置したとされています。このことから「孕み地蔵」「子育て地蔵」とも呼ばれ、古くから信仰を集めています。

歴史

地蔵寺の堂宇は、過去に二度の改築が行われています。一度目は貞享2年（1685年）、二度目は文政3年（1820年）です。また、明治時代の廃仏毀釈運動によって廃寺となった中津川の雲林寺の本尊が、福岡法界寺を経て当寺に祀られるようになりました。この雲林寺の本尊と地蔵寺の本尊である二体の地蔵菩薩は、いずれも岐阜県指定の文化財となっています。

ご利益と境内

地蔵菩薩は、特に内臓の病に利益があるとされており、境内には多くの地蔵菩薩の石像が奉納されています。そのため、癌封じの寺としても広く知られています。

関連施設

地蔵寺が管理している宮地観音堂は、別名清浄堂とも呼ばれ、益田三十三観音霊場の12番札所となっています。また、同じく管理下の野尻にある具足堂は、同霊場の13番札所です。

参考文献

岐阜県益田郡 『岐阜県益田郡誌』 p474、1937年
竹原郷土史研究会 『竹原郷土史』 p233-235、1991年

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