地電流

地電流とは

地電流（ちでんりゅう、英: earth current、telluric current）とは、地球内部を流れる電流を指します。この電流は自然な原因や人間の活動によって流れるものであり、地球の磁場や大気中の電気現象の影響を受けているのが特徴です。特に、地磁気の変動に伴う電磁誘導が地電流の主な要因とされています。

地電流の形成と観測

地電流は、太陽の活動に伴う電離層や磁気圏の電流流出によって引き起こされ、これが地磁気に変動をもたらします。この変動により、地球内部を流れる電流が誘導されるのです。また、雷の発生も地電流の生成に寄与し、雷雲と地面の間に電流が流れます。

地電流は主に地球の表面や地殻、マントルといった領域で観測されます。例えば、1975年に行われたクラスノゴルスカヤ、レミゾフ、バンヤンの調査によれば、1メートル離れた2つの地点間の電位差は0.2Vから1,000Vとされ、北半球全体では12時間あたり100～1,000Aに達する可能性があるとのことです。この電位差は、地面と雷雲の間で雷電流を流すのに十分な量であるため、地電流には大きなエネルギーが秘められていると言えます。

地電流の利用

地電流は、実際にエネルギー源としての利用が研究されています。特に、地面に電極を埋設することで得られる電力は「地球バッテリー」と呼ばれ、海に電極を埋設することで得られる電力は「海バッテリー」として知られています。19世紀には、これらの方法が電気設備の電源として成功裏に利用された記録があります。地球の磁場に沿って異なる導体を配置することで自然な電源を得ることが可能ですが、その一方で地域によって差があり、実際に取り出せる電力の量が制限されるため、今のところ一般的には普及していません。

地電流と地震の関係

地電流は、地下構造を探査するための手段としても活用されることがあります。1930年代以降、地震と地電流が深い関係にあるとされ、多くのモデルが提唱されています。この関係性は、地震の予測や地質調査において重要な役割を果たすと考えられています。

地電流は地球の中でも多様な現象やプロセスと関連しており、その理解が進むことで、自然現象の解析や人間活動への応用が広がる可能性があります。

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