坂上康俊

坂上康俊：日本古代史研究の第一人者

坂上康俊氏は、1955年宮崎県生まれの著名な歴史学者です。現在、九州大学特任研究員、九州大学名誉教授として、日本古代史研究に尽力しています。専門は日本古代史、特に律令制度と日唐交渉史であり、その深い知識と鋭い分析力から、同分野における第一人者として広く知られています。

学歴とキャリア

坂上氏は、1979年に東京大学文学部国史学科を卒業後、同大学大学院人文科学研究科博士課程に進学しました。1983年に博士課程を中途退学した後、東京大学文学部助手として教職に就き、研究活動を開始します。その後、1985年には九州大学文学部専任講師、1987年には助教授に昇進。1999年には教授に就任し、2002年からは九州大学大学院人文科学研究院教授として後進の育成にも力を注ぎました。

研究業績

坂上氏の研究は、律令国家の成立と発展、そして日本と唐との外交関係に焦点を当てています。単著として『日本の歴史5 律令国家の転換と「日本」』（講談社、2001年）、『平城京の時代 シリーズ日本古代史 4』（岩波新書、2011年）、『摂関政治と地方社会（日本古代の歴史5）』（吉川弘文館、2015年）、『唐法典と日本律令制（日本史学研究叢書）』（吉川弘文館、2023年）など、数多くの重要な著作を発表しています。これらの著書は、緻密な史料分析に基づいており、日本古代史研究に大きな貢献を果たしています。

また、共著も多く執筆しており、『宮崎県史 通史編古代2』、『宮崎県の歴史』、『日中律令制の諸様相』、『太宰府市史 古代資料編』、『太宰府市史 通史編I』など、地域史研究にも積極的に取り組んでいます。多角的な視点を取り入れた研究姿勢は、日本古代史理解を深める上で非常に貴重なものです。さらに、多数の論文を発表しており、その研究内容は国内外で高く評価されています。

研究内容の特徴

坂上氏の研究の特徴として、第一に、豊富な史料に基づいた緻密な分析が挙げられます。膨大な史料を丹念に検証することで、従来の解釈を覆す新たな知見を提示することが多く、その研究には高い信頼性が認められています。第二に、日本古代史を多角的に捉えようとする姿勢が挙げられます。政治史だけでなく、社会史、文化史といった様々な視点を取り入れることで、古代日本の姿をより立体的に描き出しています。第三に、国際的な視点を取り入れる点も重要です。日唐交渉史を専門とする坂上氏は、東アジア全体の視点を取り入れ、日本古代史をより広い歴史的文脈の中で考察しています。

今後の展望

現在、九州大学特任研究員として活躍する坂上氏ですが、その旺盛な研究意欲は衰えることを知りません。今後も、日本古代史研究のさらなる発展に貢献すると期待されています。特に、近年の研究成果である『唐法典と日本律令制』は、律令制研究における新たな地平を切り開くものとして注目を集めています。その今後の研究活動から目が離せません。

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