坂和章平

坂和章平（さかわ しょうへい）

日本の弁護士であり、映画評論家としても知られる人物。1949年1月26日、愛媛県松山市にて誕生した。

学歴と弁護士としての歩み

愛光中学校・高等学校で学び、1971年に大阪大学法学部を卒業。学生時代は社会運動に深く関わり、熱心な活動を展開した。同年、司法試験に合格し、司法修習第26期を経て、1974年に大阪弁護士会に弁護士登録を行った。

都市法務とまちづくりへの貢献

弁護士として、都市開発やまちづくりに関する数多くの重要訴訟を手がけてきた。これまでに、大阪モノレール訴訟（1982年〜1994年）、阿倍野再開発訴訟（1984年〜1988年）、門真市一番柳田町北土地区画整理事業訴訟（1990年〜1996年）、アルネ津山訴訟（2002年〜2005年）など、日本の都市景観や開発に関わる複雑な法的問題に取り組んだ。これらの活動は、都市計画分野における法的な課題解決と実務の発展に大きく寄与している。

特に、1995年の阪神・淡路大震災発生時には、その直後から被災地の復興とまちづくりに対して積極的に関与した。復興のあり方について多くの提言を行い、寄稿を通じて議論を喚起するとともに、芦屋中央地区まちづくり協議会の顧問を務めるなど、実務的な支援も行った。

長年にわたる都市計画分野での顕著な実践活動と、それを体系化した著作活動の功績が認められ、2001年には社団法人日本都市計画学会より「石川賞」を受賞した。また、著書『実況中継 まちづくりの法と政策』は、その実務的な価値が高く評価され、社団法人日本不動産学会の「実務著作賞」を受賞している。

映画評論家としての活動

弁護士としての専門的な活動に加え、映画評論家としても知られている。2002年に私家版で映画評論文集を刊行して以来、継続的に映画評論を発表。2007年からは『大阪日日新聞』にて「弁護士坂和章平のLAW DE SHOW」と題した映画評コラムを連載し、人気を博している。また、自身のブログでも映画に関する見解を発信しており、これらの評論は「SHOW-HEYシネマルーム」シリーズとして多数の書籍にまとめられ刊行されている。法律家の視点から社会や人間を描く映画作品を分析する独自のスタイルは、多くの読者の関心を集めている。

著書

都市開発法、不動産法、建築法、交通事故、マンション建替え、景観法、震災復興といった専門分野に関する著作に加え、映画評論集など、幅広いテーマで多くの書籍を執筆している。代表的な単著には『都市づくり・弁護士奮闘記』や『実況中継まちづくりの法と政策』シリーズがある。また、都市再開発や震災復興に関するテーマで複数の専門家と共著も手がけており、法曹界や関連分野の研究・実務に貢献している。

その他の活動

2023年には、在大阪中華人民共和国総領事館の広報アドバイザーを務めるなど、国際的な交流の一端にも関与している。

坂和章平氏は、法律家としての深い専門知識と社会貢献への情熱、そして文化、特に映画への造詣を融合させ、多岐にわたる分野でその存在感を示している。

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