坂本万七

坂本万七について

坂本万七は、1900年1月13日に広島県福山市で生まれた、日本の著名な写真家です。彼の写真は主に民藝品や仏像を中心に広がっており、特にその才能が評価されています。彼の遺作である『沖縄・昭和10年代』は、戦前の沖縄の貴重な写真が収められており、テレビなどでも資料として使用されています。坂本はまた、築地小劇場の舞台写真でもよく知られています。

年譜とキャリアの始まり

坂本は15歳の時、私立盈進商業学校に入学しましたが、1919年に中退し、宮崎県日向の「新しき村」に参加。ここで彼の芸術的な感受性が磨かれます。1921年には上京し、品川写真研究所で写真術を学び、1922年には三笠写真店で技術を習得しました。特に注目すべきは、1924年に築地小劇場で舞台写真を撮り始めたことです。この頃から、彼の作品は人々に強い影響を与えました。

主な業績

1931年には「日本地理大系」の全16巻を完成させた他、多くの貴重な書籍の写真を担当しました。坂本は1938年から1940年にかけて、沖縄や満州、北支などで民藝関係の撮影を行い、特に民藝界の巨星、柳宗悦と共に活動する中で、彼の作品が高く評価されるようになります。彼は埴輪の撮影や仏像の撮影も行い、その美しさや文化的背景を写真で残しました。

戦後の影響

第二次世界大戦後も坂本は活動を続け、美術研究所で嘱託となり、法隆寺などの重要な文化財を撮影しました。1954年には「世界陶磁全集」の撮影主任を努め、以降も各地の文化遺産や民藝品を積極的に撮影しました。特に1960年代においては、自身の研究所を開設し、さまざまな美術品や文化財の撮影業務を展開。日々の活動を通じて、彼は日本の文化を広める一端を担っていました。

後半生と遺作

坂本の人生は、1974年4月19日に74歳で幕を閉じました。彼の遺作『沖縄・昭和10年代』は後世にわたり、沖縄文化の重要な記録として評価されています。坂本万七の写真は、単なる芸術作品に留まらず、歴史的な資料としても重要な役割を果たしました。坂本の作品は、豊かな日本の文化とその美を伝えるための重要な足跡となっています。

作品集

坂本は多くの著作を持ち、『石の村』や『三月堂』など、多様なテーマを扱った作品を残しています。彼の写真は、日本の伝統文化や美術の魅力を再発見させてくれるものであり、訪れる人々に深い感動を与え続けています。

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