坂本衛

坂本衛の人物像とその業績

坂本衛（さかもと まもる）は、1935年に大阪府吹田市で生まれた元国有鉄道職員であり、現在は著述家として知られています。子供の頃から鉄道に魅了され、彼の人生はまさに鉄道一色で彩られています。国鉄に就職したのは1953年のことであり、以降は鉄道業界でのキャリアを積み重ねました。

経歴と国鉄での活動

彼は国鉄大阪鉄道管理局で働き始め、吹田操車場での勤務を経て、1960年には車掌としての道を歩み出しました。大阪車掌区に所属していた彼は、1968年に専務車掌に昇進し、その後も特急列車などの重要な業務にて専務車掌や車掌長として活躍しました。しかし、1987年に行われた国鉄改革の影響を受け、彼は職を退くことになりました。

退職後は大阪市内の模型店で働きましたが、その後はフリーランスの著述活動に転身することになりました。この活動を通じて、彼は鉄道模型の趣味を基盤とし、鉄道に関連する多くの記事を執筆するようになりました。特に「鉄道模型趣味」誌における彼の模型製作記は、多くの鉄道ファンに支持され、彼の技術と情熱が光ります。

鉄道模型とその設計

坂本は自らのレイアウト「摂津鉄道」を製作し、その仕上がりは観察した貨物列車の運行に基づいています。彼の作品は詳細な再現と緻密な造り込みが特徴で、同業者や愛好者たちから高い評価を受けていました。模型作りに対する情熱は、彼の国鉄時代の経験からくるものであり、鉄道の魅力を少しでも多くの人に届けたいという気持ちが込められています。

温泉への情熱

坂本は腰椎手術の後、温泉療養を始めたことが転機となり、日本各地の温泉を巡るようになりました。彼は乗務の合間を利用して入湯し、その体験をもとに雑誌の読者投稿欄に珍しい温泉のレポートを送るようになります。特に「掘立小屋の温泉」や「道端に湧く温泉」といったユニークな温泉についての投稿が評価され、最終的には記事として取り上げられるに至りました。以後は「旅」誌において「ガイドブックにない温泉」というタイトルでコラムを連載しました。

さらに、国鉄在職中の裏話として「とれいん」誌に「乗務中異常あり」を連載し、こちらも多くの読者に親しまれました。これらの活動を通して、坂本は多様な視点から鉄道と温泉について語り、両者の魅力を再発見する手助けをしています。

著作とメディア出演

坂本の著書には、『超秘湯』や『昭和の車掌奮闘記』などがあり、彼の幅広い知識と体験が反映されています。また、テレビにも出演しており、2008年には「ブロードキャスター」で寝台急行銀河の廃止特集に関連した内容で紹介されました。こうしたメディアへの登場は、鉄道や温泉への興味を喚起する一助となっています。

影響を受けた作品

彼の著作は、昭和40年代後半の国鉄を背景にした漫画作品「カレチ」でも参考文献として扱われており、坂本の経験は後世においても影響を与え続けています。

坂本衛の人生は、鉄道と温泉という二つのテーマを通じて、一貫して情熱に満ちていることが伝わってきます。彼の言葉や作品は、今なお多くの人々に鉄道や温泉の魅力を伝え続けています。

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