坂東三津五郎 (2代目)

二代目 坂東三津五郎（1750年 - 1829年）は、江戸時代中期の歌舞伎役者です。屋号は大和屋、俳名として里遊、是業、初朝、是葉などを用いていました。定紋は三つ大。後に二代目 荻野伊三郎を名乗っています。

来歴

上方（現在の京都・大阪を中心とする地域）で生まれ、初めは初代尾上紋太郎の門下に入り、尾上藤蔵と名乗りました。京都四条の大芝居で子役として評判を得て、宮地芝居や子供芝居で立役者として活躍しました。その後、初代尾上紋三郎を襲名。

1781年に江戸に下り、初代坂東三津五郎の門人となります。しかし、翌年に師が亡くなったため、その息子である初代坂東巳之助に三津五郎の名跡を継がせる話が持ち上がりました。しかし、巳之助はまだ幼かったため、尾上紋三郎が中継ぎとして1785年に二代目三津五郎を襲名することになりました。1799年には、巳之助が初代坂東蓑助を襲名し、「三津五郎」の名跡を返上し、三代目を継ぎました。そして自身は二代目荻野伊三郎を襲名しました。

ここから二代目坂東三津五郎、後の二代目荻野伊三郎としての本当の活躍が始まり、和事、実事、所作事いずれをもこなす大看板となりました。1803年には河原崎座で初の座頭を勤めましたが、1826年9月以降の番付にはその名が見えなくなります。1829年に80歳で亡くなりました。当時としては長命であり、大往生であったと言えるでしょう。

主な当たり役としては、『義経千本桜』の狐忠信や、『菅原伝授手習鑑』の判官代輝国などが挙げられます。子に三代目荻野伊三郎がいます。

参考文献

野島寿三郎編　『歌舞伎人名事典』（新訂増補）　日外アソシエーツ、2002年

関連項目

歌舞伎

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