坂東尚樹

坂東 尚樹（ばんどう なおき）

坂東尚樹は、1957年12月12日に北海道旭川市で生まれた日本の男性声優です。彼の経歴は、中学校から高校時代を北海道函館市で過ごし、その後上京して法政大学文学部日本文学科の夜間部に進学します。しかし、声優を志す彼は授業料を劇団青年座俳優養成所の夜間部に使い、2年で中退してしまいます。

俳優になりたいという夢を持つ坂東は、劇団青年座俳優養成所の本科を卒業後、劇団新人会に入会しました。舞台での役は思うように巡ってこず、体格的な問題からなかなか目立つことができませんでした。そんな中、彼の声優業への転機となったのは、舞台公演時に音響効果を手伝ったことに起因します。音に対する興味が芽生え、周囲の先輩から声優の道を勧められました。

坂東が声優業をスタートしたのは、1987年に放送が始まったアニメ『シティーハンター』です。彼はこの作品で、多数の悪役キャラクターを演じる機会を得ることができ、以降も定期的に収録に呼ばれるようになりました。そして1991年には、アニメ『太陽の勇者ファイバード』のガードスター役で初めてレギュラーを獲得することに成功します。そのキャリアは続き、九プロダクションやマウスプロモーション、リベルタ、ALBAを経て、現在はプロダクション・エースに所属しています。

坂東は音域が非常に広く、基本的にはD#からG、ファルセットはEまでを担当します。彼の独特な声質や方言（北海道弁や東北弁も可能）を駆使し、様々な役柄を演じ分けることができるため、名脇役としての地位を確立しています。

また、坂東には多くの趣味があり、特に写真やDTM（デスクトップミュージック）、ボイスサンプルの録音が得意です。これらの特技も声優業に役立ていることでしょう。

主な出演作品

坂東のキャリアには数多くの作品があります。テレビアニメでは、例えば、1984年の『魔法の天使クリィミーマミ』や、1987年から1991年にかけての『シティーハンター』において、観客や部下役で多様なキャラクターを演じました。また、1991年から1998年までの『それいけ!アンパンマン』ではパトカーから焼き芋まん（2代目）まで幅広くキャラを担当しました。

さらに、彼は『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』といった人気作品にも多く出演しており、2024年まで続く『クレヨンしんちゃん』では団羅座也の声も担当。このように、坂東はアニメだけでなく、映画やOVA、ゲーム、ドラマCD、そして吹替え作品にも積極的に参加しています。

坂東の声優活動はゲームや劇場版など多岐にわたり、彼の多様な声質が役によって生きることで、多くのファンに愛されています。このようなキャリアを持つ坂東尚樹は、今後もさらなる活躍が期待される声優の一人です。

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