坂根哲夫

坂根哲夫の人物像と経歴

坂根哲夫（さかね てつお）は、1911年3月18日に山口県小野田市で生まれ、2005年2月15日に逝去した日本の著名な公取官僚です。彼は元公正取引委員会事務局長として知られ、退官後には日鐵海洋工事の代表取締役社長や新日本製鐵の参与として企業経営にも関与しました。

学歴と初期のキャリア

坂根は、1931年に山口高等商業学校（後の山口大学）を卒業し、その後1934年に東京商科大学（今の一橋大学）を卒業しました。卒業後、猪谷善一研究室に勤務した後、1937年に外務省に入省し、調査部に配属されました。1943年には大使館で調査官として勤務し、その後大東亜省の調査官を経て、1945年には外務省に復帰しました。

公正取引委員会での功績

坂根は、1947年の公正取引委員会（公取委）設立時からその事務局に関わり、その際外務事務官を免ぜられ、総理府の事務官としても活動しました。1949年には事務局調査部長心得に任命され、1950年には正式に調査部長になりました。

1952年には経済部長に昇進し、1957年には事務局長としての任に就きました。この期間中、独占禁止法に基づく政策の実施と管理に尽力し、公正な取引環境の構築に寄与しました。

1962年に公取委を退官した後も坂根はその豊富な経験を活かし、教育の現場にも戻り、一橋大学では講師を務めるなど、後進の育成にも取り組みました。

企業経営と受章

退官後、坂根は八幡製鐵の社長室で調査部長を担当し、その後新日本製鐵の参与や日鐵海洋工事の代表取締役社長を歴任しました。彼の経営手腕は評価され、1981年には勲三等旭日中綬章を受章しました。さらに、2005年には叙従四位に叙せられ、彼の業績が公式に認められました。

著作活動

坂根は学問的な貢献もしており、いくつかの著作を残しています。1940年に大谷孝太郎や河合俊三と共著した『最近支那経済要論』を皮切りに、1968年には『資本自由化と独占禁止法』、1979年には『独占 : 欧米各国に見る独禁政策の実態』を刊行しました。さらに、1970年には『管理価格 : 公共政策論集』の監修も行いました。

まとめ

坂根哲夫の生涯は、日本の公正取引と経済政策における重要な役割を果たしたことを示しています。彼の政策への影響や企業経営への貢献は、今後も多くの人々に評価され続けることでしょう。

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