坂間叶夢

日本のプロボクサー、坂間叶夢（さかま かなむ）は、2003年5月3日に東京都足立区に生まれました。幼い頃からボクシングに打ち込み、全日本新人王、日本ユース王座を獲得するなど、無敗のまま将来を嘱望されていましたが、2024年3月16日、わずか20歳で急逝。その突然の訃報はボクシング界に大きな衝撃と悲しみをもたらしました。

幼少期からプロへの道のり

坂間選手は小学2年生で格闘技を始め、小学4年生でボクシングに転向。アマチュア時代には、U-15全国大会で優勝2回、準優勝2回、ジュニアチャンピオンリーグ初代チャンピオンとなるなど、早くからその才能を示しました。高校はボクシング部がない学校に進学しましたが、練習を続け、17歳でプロテストに合格。18歳となった2021年5月19日、プロデビューを果たしました。

無敗のプロキャリアとタイトル獲得

プロのリングに上がってからも快進撃を続け、デビュー戦をTKO勝利で飾ると、2021年には全日本ライトフライ級新人王に輝き、技能賞も受賞。2023年7月には日本ライトフライ級ユース王座を獲得し、同年12月には井上尚弥選手の世界戦前座という大舞台にも立ち、勝利を収めました。
常に「倒しにいく」という攻撃的なスタイルを貫き、プロ戦績は9戦9勝（8KO）。無敗かつ高いKO率を誇るその実力は、将来の世界チャンピオン候補として高く評価されていました。2024年1月の成人式では、プロとして成功するまで禁酒するという強い覚悟を語っています。

突然の別れ

2024年3月18日にはユース王座の初防衛戦が控えていましたが、直前の3月16日、体調不良による棄権が発表されます。そしてわずか2日後の18日、坂間選手の突然の死が報じられました。
前年12月の試合が結果的に最後のリングとなり、無敗のユース王者のまま、20歳というあまりにも短いキャリアに終止符が打たれました。将来を嘱望された若き才能の死は、日本のボクシング界に深い衝撃を与えました。
後日、父親によって、亡くなったのは3月16日であり、自ら命を絶ったことが公表されました。

関係者からの追悼

坂間叶夢選手の葬儀は3月23日に営まれ、多くの人々が最後の別れを惜しみました。那須川天心氏や森川ジョージ氏など、著名な関係者も多数参列。森川氏は、幼い頃から親交があった坂間選手のボクシングへの真摯な姿勢を「ボクシングに賭けて ボクシングに殉じた」と表現し、死を悼みました。那須川氏も追悼メッセージを寄せています。
WBAも公式サイトで追悼声明を発表するなど、国内外からその死を惜しむ声が寄せられました。
京口紘人選手らトップ選手とのスパーリング経験も豊富で、その実力は多くの関係者から高く評価されていました。
常に勝利を目指し、リング上で輝きを放っていた坂間叶夢選手。彼の突然の死は、多くの人々に悲しみとともに、失われた才能の尊さを改めて感じさせる出来事となりました。彼が日本のボクシング史に残した足跡は、人々の記憶に深く刻まれることでしょう。

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