坪倉優介

坪倉 優介

日本の染色家。1970年12月25日、大阪府門真市に生まれる。

大阪芸術大学で工芸学科染織コースにて専門を学ぶ。学生時代の1989年、18歳でバイク事故に遭遇し、それまでの記憶を全て失うという過酷な経験をする。この記憶喪失という自身の壮絶な体験を克明に記録した手記を、2001年に『ぼくらはみんな生きている 18歳ですべての記憶を失くした青年の手記』として出版。大きな反響を呼び、2003年にはテレビ朝日でテレビドラマ化され、坪倉優介役を俳優のオダギリジョーが演じたことでも広く知られるようになった。さらに、2011年に発表した別の著書『記憶喪失になったぼくが見た世界』は、2022年にミュージカル『COLOR』として舞台化され上演されるなど、彼の経験は様々なメディアで取り上げられている。

染色家としての道は、1996年に京都で活動する染色家、奥田祐斎に師事したことから始まる。1996年から2003年にかけて、染工房夢祐斎（京都市）にて草木染め作家として研鑽を積み、制作活動を行った。その後、2004年にはヨーロッパを中心とした海外を巡る旅に出発。翌2005年には日本国内を旅して回るなど、放浪を通して見聞を広めた。そして2006年、大阪市内に自身の工房「ゆうすけ工房」を設立。現在は、日本全国から多様な草木を採取し、それらを染料として用いて、主に着物をはじめとする独自の染色作品を生み出している。

メディアへの出演も多く、2002年にはテレビ朝日のトーク番組『徹子の部屋』に出演し、松、竹、梅などの自然素材で染め上げた反物が司会の黒柳徹子から高い評価を受けた。その他にも、2011年にはフジテレビの『ザ・ベストハウス123』、2019年にはテレビ朝日の『激レアさんを連れてきた。』などに出演。2021年には、関西テレビの紀行番組『よ〜いドン!』にて「となりの人間国宝さん」に認定されるなど、その活動とユニークな半生は多くの人々の関心を集めている。

著書

『ぼくらはみんな生きている 18歳ですべての記憶を失くした青年の手記』（2001年、幻冬舎）
『記憶喪失になったぼくが見た世界』（2011年、朝日新聞出版）

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