城北川

城北川

大阪市を流れる一級河川、城北川（しろきたがわ）は、寝屋川と旧淀川の一部である大川を結ぶ全長およそ5,615メートルにおよぶ人工の水路です。かつては城北運河と呼ばれていました。

概要と歴史

この水路は、本来水上交通、すなわち水運の便を図ることを主な目的として掘削されました。その計画に基づき、1935年（昭和10年）4月に工事が開始され、約5年の歳月を経て1940年（昭和15年）12月に城北運河として完成を迎えました。完成当時は、寝屋川との分岐点において、現在の平野川分水路にあたる城東運河とも接続されていました。時代の変遷とともにその役割も変化し、1985年（昭和60年）4月6日には名称が正式に城北川へと改められるとともに、国の管理下に置かれる重要な河川として一級河川に指定されています。

地理と環境

城北川の流れる区間の一部、具体的には大阪市旭区の新森や関目から都島区の毛馬町や友渕町にかけてのエリアでは、頭上を阪神高速12号守口線が覆っています（特に東中宮橋より東側は通称「森小路線」として知られています）。しかし、その傍らでは、川沿いに散策路として整備された遊歩道が設けられており、周辺住民にとって憩いの場や散歩コースとして利用されています。

水質問題と改善

高度経済成長期には、都市化と産業の発展に伴い、城北川はその水質が悪化するという深刻な問題に直面しました。工場や家庭からの排水が流入した結果、水質汚濁が著しくなったのです。この状況を改善するため、1966年度（昭和41年）からは大規模な河川改修工事が開始され、水環境の浄化に向けた取り組みが進められました。

治水上の役割

現在の城北川は、都市の排水路としての機能に加え、治水上非常に重要な役割を担っています。特に大雨などによって寝屋川の水位が危険なレベルに達し、洪水のおそれがある場合、城北川は寝屋川の洪水を大川へと安全に流すための「放水路」、いわゆるバイパス水路として活用されます。この緊急時には、寝屋川口水門と大川口水門が開放され、大量の水が城北川を通って流下します。その際、周辺地域には危険を知らせるための警告放送やサイレンが鳴り響き、注意が喚起されます。

川に架かる橋梁

城北川の流路上には、両岸を結ぶ多数の橋梁が架設されています。これらの橋は、それぞれの地域における交通の要衝として機能しており、城北川が通過する城東区、旭区、都島区といった各区間の往来を支えています。橋梁の名称は多岐にわたり、城東区内では寝屋川河口に近い古堤橋や今福中橋、大喜橋など、旭区内では京阪電車が渡る古市橋や城北橋、旭江野橋、東中宮橋、西浪橋などが、都島区内ではおおさか東線の高架や赤川橋、友渕橋、桜花橋などが挙げられます。

城北川は、かつての運河としての歴史を持ちながら、現在は都市の景観の一部となり、治水という重要な役割を担う大阪市内を流れる主要な水路の一つです。

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