城戸沙織

城戸沙織：女神アテナとしての宿命と愛

城戸沙織は、車田正美の漫画『聖闘士星矢』に登場するヒロインであり、アテナ沙織とも呼ばれる。彼女は、数百年に一度地上に邪悪がはびこる時に現れる、戦いの女神アテナの化身である。

来歴：女神としての降臨と使命

地上の平和と、生きとし生けるすべての生命を守る使命を持つアテナは、物語開始の13年前に、ギリシアの聖域最奥のアテナ神殿に人の姿を借りて降臨した。しかし、降臨直後に教皇に扮した双子座のサガに暗殺されそうになるが、射手座のアイオロスに救われ、瀕死のアイオロスからグラード財団総帥・城戸光政に託され、彼の孫娘「城戸沙織」として育てられることとなる。光政の死後、13歳にしてグラード財団の実質的な支配者となった。

沙織は、10人の青銅聖闘士による格闘技イベント・銀河戦争を開催し、世界にその存在を知らしめる。そして、星矢たち5人の聖闘士とともに偽教皇（サガ）と対決し、勝利を収めて聖域を浄化。真の女神として君臨する。その後も、海皇ポセイドンとの闘いでは、自分の身を犠牲にして水害を食い止めようとし、最終的にポセイドンの再封印を成し遂げる。

アニメでは、聖域十二宮編と海皇ポセイドン編の間で、北欧アスガルドを舞台に、地上制覇を企むポセイドンによって操られたヒルダ率いる神闘士と死闘を繰り広げる。ヒルダに代わって、自身の小宇宙を燃やし続け、アスガルドを救う。

冥王ハーデスの復活に際しては、アテナとしての真の使命をもって冥界へ赴き、アテナの聖衣を身にまとってハーデスと対峙。星矢たちの小宇宙を得てハーデスの真の肉体を貫き、神話の時代より繰り返されたハーデスとの戦いに終止符を打つ。

本編終了後の軌跡：様々な物語での活躍

本編終了後も、劇場版作品『聖闘士星矢 天界編 序奏〜overture〜』、続編漫画『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』、テレビアニメ『聖闘士星矢Ω』などで、その後の沙織の姿が描かれている。

『聖闘士星矢 天界編 序奏〜overture〜』では、廃人同様となった星矢を介護する姿や、天界軍との戦いに挑む姿が描かれる。『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』では、過去に戻って星矢を救おうと奔走する中で、赤子に戻ってしまうという展開も描かれる。

本編の十数年後のストーリー『聖闘士星矢Ω』では、主人公・光牙の育ての親として登場。マルスとの戦いの中で、光の小宇宙を発揮し、光牙とアリアを守る。その後、マルスに襲われた際に魔傷を受け、苦難の日々を送る。

人物像：わがままな少女から女神へ

幼少時は自身の素性を知らず、わがままに振る舞っていた沙織だが、アテナとして覚醒後は、その気高さが際立つようになる。地上の女神としての宿命を背負い、感情を押し殺しながらも、心の奥底では人間の少女として生きたいという気持ちも抱いている。特に、星矢に対しては、恋慕に近い感情を抱いている。

その小宇宙は黄金聖闘士をも遥かに上回り、愛と安らぎに満ちている。人智を超えた力を持ちながらも、敵の手に落ち、命の危機に晒されることも少なくないが、その優しさと慈悲の心は失われることはない。

テレビアニメでは、星矢たちとの和解が早く、アテナと発覚した際にもトラブルはなかった。また、自分の素性を知らず、平和を願う人間の1人として邪悪に立ち向かっていた。しかし、辰巳徳丸から真実を知らされた後、アテナの小宇宙に目覚めていく。

聖衣：女神の象徴

アテナの聖衣は、普段は聖域のアテナ神殿にある巨大なアテナ神像に姿を変えている。アテナ自身の血を浴びせることで復活し、翼、黄金の杖、楯を備えた聖衣となる。黄金の杖は勝利の女神・ニケの化身であり、楯はいかなる邪悪な力をも退ける力を持つ。

キャスト

数多くの声優や俳優が、様々な作品で城戸沙織／アテナを演じている。

城戸沙織は、女神としての使命と、一人の少女としての感情の間で揺れ動きながらも、常に人々を愛し、地上を守り抜く、強く美しいヒロインである。

もう一度検索