基本星表

基本星表（Fundamental Catalogue）

基本星表とは、星の位置を非常に高精度に記録したカタログです。この星表には、記載されている星の数は少ないものの、位置情報が極めて正確であるため、星の相対的な位置関係から基準座標系を定義することが可能です。これまでに6冊の改訂版が発行されており、その略称はドイツ語の「Fundamental-Katalog」から名付けられたFKです。具体的な表記は、例えば「FK5 74」のようになっており、最初の部分は版数、後の数字が個々の星番号を示しています。

歴史的な改訂

基本星表の最初の版は、1907年にドイツのベルリン天文年鑑と共に発行されました。この時点から、天文学界において位置情報の重要性が再認識されることとなりました。
1937年には、第3版にあたるFK3（Third Fundamental Catalogue）が発行され、873個の星が網羅されました。この星表は当時の最も正確な位置を記録したもので、その後のFK4までの基準となりました。

続く第4版のFK4（Fourth Fundamental Catalogue）は1963年に登場し、1,535個の星を記録しています。これらの星はドイツのハイデルベルク大学の天文計算研究所で測定されており、前の版よりも大幅に精度が向上しました。さらに、FK4には補足版であるFK4S（Fourth Fundamental Catalogue's Supplement）が存在し、こちらでは1,987個の星が追加されています。

その後、1988年には第5版のFK5（Fifth Fundamental Catalogue）が発行され、FK4のデータを最新の観測結果に基づいて更新した形で1,535個の星が再記載されました。この時期には国際天文基準座標（ICRF）が導入され、旧式の記録は徐々に過去のものとなっていきました。1991年に拡張されたFK5の版では、さらなる3,117個の基本恒星が追加され、これにより総数が著しく増加しました。

さらに近代に入ると、2000年に第6版のFK6（Sixth Fundamental Catalogue）が発行されました。この版ではFK5の星データが再び更新され、ヒッパルコス衛星から得られた情報が反映されています。FK6は特に位置精度が高く、他のほとんどの星表と比較しても最大の精度を誇ります。DK6には二部構成があり、FK6(I)には878個の恒星が、FK6(III)には3,272個の恒星が記載されています。

基本星表は、天文学や地球科学の研究において、位置情報の基準として重要な役割を果たし続けています。正確な星の記録は、さまざまな宇宙現象を理解するための基盤となっているのです。

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