埼玉文芸賞

埼玉文芸賞について

埼玉文芸賞（さいたまぶんげいしょう）は、埼玉県に根ざした文芸活動を奨励するために1969年に創設された文学賞です。主催は埼玉県および埼玉県教育委員会で、実施はさいたま文学館が担当しています。この賞は毎年実施され、2021年には52回目の開催を迎えました。

受賞対象と応募資格

埼玉文芸賞は、その目的が埼玉県内の文芸活動の振興にあるため、応募資格は埼玉県に在住、在学、または在勤している15歳以上の人に限られています。これは全国から作品を公募する埼玉文学賞（埼玉新聞社主催）とは対照的で、地域に根ざした作家や詩人が自らの表現を発表できる場を提供することを目的としています。

部門と入賞内容

埼玉文芸賞には以下の7つの部門があります：
1. 小説・戯曲（シナリオを含む）
2. 評論・エッセイ・伝記
3. 児童文学（小説または童話と詩）
4. 詩
5. 短歌
6. 俳句
7. 川柳

各部門では、優れた作品を表彰し、入賞者には賞状、記念品、さらに副賞として20万円が授与されます。受賞作品は『文芸埼玉』という同館発行の文芸誌に掲載されます。

また、18歳以下の高校生などの若い応募者には奨励賞も設けられており、将来の文学界を担う才能を育成する一助となっています。

選考委員

各年ごとに選考委員が設けられ、厳正な審査が行われます。たとえば、2021年第52回では、小説・戯曲部門に相澤与剛、北原立木、高橋千劔破が名を連ね、評論・エッセイ・伝記部門には佐藤健一、杉浦晋、野村路子が選考委員として活動しました。

このような著名な文学者たちが選考に関わることで、質の高い作品が選ばれることが期待されています。

主な受賞者たち

過去の受賞者には、大久保操や中原道夫、生沼義朗などがあり、彼らは埼玉文芸賞を通じてその文学的才能を広く認められました。特に大久保操は1971年に『昨夜は鮮か』で文學界新人賞を受賞し、その後も多くの文学賞で評価を得て続けました。

文芸埼玉

『文芸埼玉』は、1968年に創刊された埼玉文学館発行の文芸誌で、年に2回刊行されます。特に奇数号においては、埼玉文芸賞の受賞作とその選評が掲載されることから、受賞者にとっては重要な機会となっています。

まとめ

埼玉文芸賞は、地域の文芸活動の活性化を目指し、才能ある作家や詩人の作品に光を当てる重要な役割を担っています。この賞を通じて、埼玉県の文化的な資産がさらに豊かになることが期待されています。

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