埼玉県立寄居高等学校

埼玉県立寄居高等学校

埼玉県立寄居高等学校（さいたまけんりつ よりいこうとうがっこう）は、かつて埼玉県大里郡寄居町に所在していた公立の高等学校です。地域の教育の中核を担ってきましたが、高校再編の流れの中でその歴史に幕を下ろしました。全日制課程を設け、普通科と商業科の二つの学科を通じて、多くの生徒たちが学び舎を巣立ちました。この学校の歩みは、地域の教育環境の変化と深く関わっています。

沿革

寄居高等学校の歴史は、戦後間もない1948年（昭和23年）に始まります。当初は埼玉県立熊谷高等学校の寄居分校として、現在の寄居町寄居の地に開設されました。これは、当時の地域の教育に対する強い要望に応える形でのスタートでした。分校として運営された後、地域の教育をより充実させるため、1959年（昭和34年）には組合立の高等学校として独立が図られ、「組合立埼玉県寄居高等学校」として設立が認可されました。この時期には定時制課程も設置され、多様な学びの機会が提供されました。

組合立としての運営を経て、1962年（昭和37年）には埼玉県に移管され、「埼玉県立寄居高等学校」として新たな歴史を歩み始めました。これにより、県の教育体制の下でより安定した運営と教育内容の充実が期待されることとなりました。そして、翌年の1963年（昭和38年）には、現在の寄居町桜沢の地へと校舎が移転しました。広々とした新しいキャンパスで、生徒たちは勉学や部活動に励むこととなります。

県立高校となってからも、地域の教育ニーズに応える試みは続きました。1964年（昭和39年）には、改めて定時制課程が設置され、働きながら学ぶ生徒たちにも門戸が開かれていました。しかし、社会情勢の変化に伴い定時制課程の役割も見直され、1985年（昭和60年）にはその歴史に終止符が打たれ、全日制課程へと集約されることになります。

その後も地域に根差した教育を続けてきましたが、少子化の進行や高校教育の多様化に対応するため、埼玉県では県立高校の再編が進められることとなりました。その結果、2008年（平成20年）には、近隣に位置していた埼玉県立川本高等学校と統合されることとなりました。新しい学校は「埼玉県立寄居城北高等学校」と命名され、旧寄居高等学校の校地に設置されました。これにより、埼玉県立寄居高等学校としての60年におよぶ歴史は閉じられましたが、その教育理念や伝統の一部は、寄居城北高等学校へと引き継がれています。

設置学科

閉校時、埼玉県立寄居高等学校には全日制課程が設置されており、以下の二つの学科がありました。

普通科: 基礎学力の向上と幅広い進路選択に対応するカリキュラムを提供。
商業科: 簿記、情報処理、流通など、ビジネス分野に特化した専門的な知識・技術を習得。

おもな卒業生

寄居高等学校からは、様々な分野で活躍する人材が輩出されています。

掛川誠: 元サッカー選手
久保晃一: 元ラグビー選手

所在地と交通

埼玉県立寄居高等学校が閉校まで所在したのは、埼玉県大里郡寄居町桜沢の地でした。最寄りの駅は、秩父鉄道の桜沢駅であり、多くの生徒たちがここから通学していました。駅からのアクセスも比較的良好で、地域の生徒にとって通いやすい環境でした。統合後の埼玉県立寄居城北高等学校も、引き続きこの旧寄居高校の校地を利用しています。

関連項目

埼玉県立寄居高等学校の閉校は、埼玉県における高校再編の一環として行われました。

* 埼玉県高等学校の廃校一覧

この学校に関する情報は、上記の項目などの関連資料の中で確認することができます。

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