埼玉県衛生研究所

埼玉県衛生研究所

埼玉県衛生研究所は、比企郡吉見町江和井に本拠を置く、埼玉県における衛生行政の中核を担う研究機関です。

概要

この研究所は、県の公衆衛生レベルを向上させるため、科学的および技術的な側面から貢献しています。主な活動内容は、県民の健康に関わる様々な事柄についての調査や研究、精密な試験・検査、関連機関への研修や指導、そして公衆衛生に関する情報の収集、分析、提供です。これらの活動を通じて、県内における感染症対策、食品安全、環境衛生などの分野で重要な役割を果たしています。

沿革と移転

研究所の歴史は、1950年に大宮市に食品衛生試験所が設立されたことに始まります。その後、細菌検査所と統合され、1953年に埼玉県衛生研究所として現在の形につながる組織が発足しました。

設立当初は現在のさいたま市桜区にあたる浦和市上大久保に位置しており、当初は衛生研究所内に公害センターが併設されていましたが、1972年には公害センターの新庁舎が完成し、研究所もそこに移転する形で同居していました。この建物は、公害センターが2000年に埼玉県環境科学国際センターとして旧騎西町（現加須市）に移転した後も、2014年まで衛生研究所によって単独で使用されていました。

しかし、旧庁舎の老朽化が進んでいたことや、さいたま市健康科学センターとの機能的な重複があったことから、県の中央部に位置する吉見町の旧埼玉県立吉見高等学校の校舎を改修し、2014年4月1日に移転しました。この移転に伴い、施設が刷新され、微生物検査や化学検査に必要な最新鋭の機器が導入され、検査能力の向上が図られました。また、この移転の機会に、地理的に近接することになった深谷支所が本所に統合され、支所体制は解消されました。

組織

現在の組織は、以下の担当制で運営されています。

総務担当
企画・産学連携担当
地域保健・支援担当
精度管理担当
感染症疫学情報担当
臨床微生物担当
ウイルス担当
食品微生物担当
生体影響担当
薬品担当
水・食品担当

かつては部制が取られていましたが、2000年以降は担当制へと移行しています。また、2001年には県内5つの保健所や市場衛生検査センターで行われていた検査機能が一元化され、本所に集約されました。

歴史の主な出来事

1950年10月：大宮市に食品衛生試験所が開設。
1953年2月：大宮市に埼玉県衛生研究所が設立。
1957年11月：放射能研究室を新設。
1962年：公害防止条例制定、ウイルス研究室新設。
1968年：公害対策室新設、県民生活部公害課設置、衛生研究所に公害研究部設置（埼玉県公害センターの前身）。
1970年10月：衛生研究所の公害研究部を発展解消し、公害センターを設立。
1972年3月：浦和市上大久保に公害センター新庁舎が完成し、衛生研究所と合同庁舎となる。
2000年4月：埼玉県環境科学国際センターが開所し、公害センター機能が移転。組織が担当制へ移行。
2001年4月：保健所などの検査機能が衛生研究所に一元化。
2006年3月：春日部支所を廃止。
2014年4月：吉見町の旧吉見高校校舎を改修し移転、深谷支所を統合。

所在地

埼玉県比企郡吉見町江和井410番地1

アクセス

埼玉県道33号東松山桶川線沿いに位置していますが、近隣に公共交通機関の便は少ないです。

（注：本記事は公開されている情報に基づき作成しています。）

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