堀内功太郎

堀内功太郎

堀内功太郎は、1978年8月31日に生まれた日本の建築家、アーバンデザイナー、そして実業家です。現在は東京を活動の拠点としていますが、そのキャリアは国際色豊かで、特にヨーロッパでの経験が彼の建築思想に大きな影響を与えています。

経歴

愛知県名古屋市で育ち、名古屋市立菊里高等学校を卒業した後、明治大学大学院理工学研究科建築学専攻に進学しました。大学院在学中の2003年にはオランダに渡り、ロッテルダム国際建築ビエンナーレに日本代表として作品を出展するなど、若くして国際的な舞台に立つ機会を得ています。

同年、大学院に籍を置きながらも、オランダの著名な建築設計事務所であるメカノー（Mecanoo Architecten）に勤務し、実務経験を積みました。その後、イギリスのAAスクールでアシスタントを務めるなど、教育機関での経験も経て、2004年に明治大学大学院博士前期課程を修了。同年にはオーストリアのペーペーアーゲー（PPAG Architects）でも研鑽を重ねました。

特に彼のキャリアにおいて特筆されるのは、フランス国立図書館の設計などで世界的に知られる建築家、ドミニク・ペローが率いるドミニク・ペロー・アーシテクチュール（Dominique Perrault Architecture - DPA）での勤務経験です。2005年から2009年までの約4年間、パリを拠点とするこの国際的な事務所で多くのプロジェクトに携わり、その後の独立に向けた基盤を築きました。

2005年、堀内功太郎はパリにて自身の設計事務所「KOTARO HORIUCHI」を設立し、独立を果たします。2009年には法人化し、パリに加え東京、そして出身地である名古屋にも拠点を構え、「KOTARO HORIUCHI ARCHITECTURE」として活動を拡大。その後、2015年に組織を改組し、現在は「KOTARO HORIUCHI」として東京を主たる拠点に活動を展開しています。

活動と作品

堀内功太郎の活動領域は建築設計に留まらず、都市デザインやプロダクトデザイン、そして実業家としての側面も持ち合わせています。彼の作品は、既成概念にとらわれない独創的な発想と、空間の可能性を探求するアプローチが特徴です。

国内外で多岐にわたるプロジェクトを手がけており、「浮遊する森」（フランス）、「Cave For Kami」（日本）といった建築作品から、「空気の家」「紙の洞窟」「浮遊する滴の孔」といった実験的な空間デザイン、さらには家具デザインまで、その表現方法は多様です。ヘルシンキ中央図書館やアフガニスタン国立美術館の計画案に携わるなど、大規模な公共建築の分野にも関わっています。

受賞と評価

その革新的な取り組みは国内外で高く評価されており、数多くの権威ある賞を受賞しています。ドイツのiF DESIGN AWARDやアメリカのWA (World Architecture) Awardsといった国際的な賞をはじめ、日本のDSA Design Award、JCD Design Award、SDA Awardでも優秀賞や入選を果たしています。2019年にはノートルダム大聖堂のデザインコンペティションのファイナリストに残るなど、その実力は国際的な舞台でも認められています。

また、彼の活動や作品は、「新世代建築家／クリエイター100人の仕事」をはじめとする書籍や、国内外の主要な建築・デザイン雑誌、オンラインメディアなど、多くの媒体で紹介されており、現代日本の建築界における注目すべき存在として広く認識されています。

展覧会活動

建築作品の設計・実現と並行して、堀内功太郎は自身の建築思想や探求の成果を発表する場として、個展活動を精力的に行っています。「溶け込む建築」「浮遊する建築」「地層の膜」といったテーマを掲げた個展を、主に日本国内で開催しており、2010年にはパリでも個展を開催するなど、その表現の場は国内外に及びます。これらの展覧会は、完成した建物とは異なる形で、彼の創造的なプロセスや未来に向けたビジョンを示す重要な機会となっています。

もう一度検索