堀内博志

映画監督　堀内博志：自主制作から商業映画まで、多様な映像表現に挑戦するクリエイター

堀内博志氏は1974年、島根県出雲市で生まれた映画監督である。大阪写真専門学校（現・ビジュアルアーツ専門学校）放送映画学科卒業後、映像制作会社に勤務。アーティストのPVや映像作品制作に携わった経験を活かし、2008年には自身の会社、PERFECTWORLD株式会社を設立した。

堀内氏のキャリアは、自主制作映画から始まった。2010年、初となる自主映画『反抗』がPFFアワード2010に入選、沖縄映像祭、TAMA NEW WAVE2010に出品されるなど、高い評価を得る。その後も精力的に作品を制作し続け、ミュージシャン・加地等の急逝を悼んだドキュメンタリー映画『加地等がいた -僕の歌を聴いとくれ-』（2011年）を劇場公開。同時期に制作された自主映画『私の悲しみ』は、TAMA NEW WAVE2011でグランプリと女優賞（よこえとも子）のダブル受賞を果たし、2012年7月には初の長編劇映画として劇場公開された。

これらの経験を経て、堀内氏は商業映画の世界にも進出する。2014年には、故郷である島根県出雲市を舞台に、主演に佐々木希、撮影監督にクリストファー・ドイルを迎え、出雲大社などの全面協力を得て映画『縁（えにし）〜The Bride of Izumo〜』を制作。2015年には第35回ハワイ国際映画祭Spotlight on Japan部門の観客賞にノミネートされ、2016年に全国公開された。

その後も、『Please Please Please』（2017年）、『Sea Opening』（2018年）など、着実に作品数を重ねていく。近年は、これらの作品制作を通して若手俳優との関わりが深まり、2018年4月からはネット配信番組「堀内監督の「イケてんChannel」」を不定期配信するなど、若手育成にも力を入れていることがうかがえる。

監督作品は多岐に渡り、自主制作映画から商業映画、テレビドラマまで幅広く手がけている。自主制作映画では、自身の表現方法を追求し、実験的な作品にも挑戦。一方、商業映画では、大衆性を意識しつつも、自身の作家性を貫いた作品づくりを心がけているとみられる。

堀内氏の作品は、ドキュメンタリー、ドラマ、そして実験的な作品と、その作風は多様性に富んでいる。しかし、どの作品にも共通しているのは、人間の内面や心の機微を繊細に描き出すことに長けている点である。そして、故郷である島根県への深い愛情、そして人々との繋がりを大切にする姿勢も、彼の作品世界を彩る重要な要素と言えるだろう。

今後の活動にも期待が高まる、注目すべき映画監督の一人である。

主な監督作品

映画：『反抗』『加地等がいた -僕の歌を聴いとくれ-』『私の悲しみ』『耳をかく女』『山崎ファミリア』『絶対領域』『縁〜The Bride of Izumo〜』『Please Please Please』『Sea Opening』『いつまでも忘れないよ』『浅草花やしき探偵物語〜神の子は傷ついて〜』など多数
テレビドラマ：『ディキータマリモット～オウセンの若者たち～』『チョコレート戦争　～朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり～』など

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