堀口助治

堀口助治（ほりぐち すけはる）

生涯

堀口助治は、1872年3月8日（明治5年1月29日）に生まれ、1935年（昭和10年）3月11日に没した、日本の内務・警察官僚です。彼は、政友会系の官選福島県知事や福岡県八幡市長を歴任しました。

生い立ちと学歴

堀口は、現在の宮崎県宮崎市高岡町にあたる場所で、士族の堀口貞由の長男として誕生しました。1897年7月に第五高等学校を卒業後、1900年7月には東京帝国大学法科大学政治学科を卒業しました。この学歴は、彼が後の官僚としてのキャリアを築く上で重要な基盤となりました。

官僚としてのキャリア

大学卒業後、堀口は内務省に入省し、警視庁属兼同警部としてキャリアをスタートさせました。1901年11月には、文官高等試験行政科試験に合格し、その行政手腕を認められました。その後、警視庁警視・板橋警察署長、四谷警察署長などを経て、地方行政にも携わるようになります。岡山県、富山県、埼玉県で事務官や部長を歴任し、福岡県では港務長、栃木県では内務部長を務めました。

1914年4月には熊本県内務部長に就任し、さらに地方行政の中枢で活躍しました。その経験を買われ、1915年4月には福島県知事に就任しました。福島県知事時代には、政友会の勢力拡大に尽力しました。しかし、その政治姿勢が地元の新聞『福島民友新聞』の批判を招き、社説「民は飢ゆ」を執筆した記者を朝憲紊乱罪で告訴する事態に発展しました。この事件は当時、大きな波紋を呼び、堀口は1916年4月に知事を休職することになりました。

1918年4月27日、休職期間満了により退官した後、同年11月18日に福岡県八幡市長に就任しました。この市長としての経験は、彼の行政官としてのキャリアに新たな側面を加えました。

政治家としての側面

堀口は、単なる行政官としてだけでなく、政治家としても活動しました。特に福島県知事時代には、政友会の勢力拡大に尽力したことが知られています。しかし、その政治姿勢は時に批判を浴び、新聞記者との間で訴訟問題にまで発展しました。この事件は、当時の政治とメディアの関係における複雑な側面を浮き彫りにしました。

死後

堀口助治は、その生涯を通じて、地方行政の発展に尽力しました。彼のキャリアは、明治から昭和初期にかけての日本の官僚制度の変遷を反映しています。また、地方政治における行政と政治の関わりについても、重要な教訓を残しています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 内閣「堀口助治福岡県八幡市長就任ノ件」大正7年。国立公文書館 請求番号：本館-2A-019-00・任Ｂ00862100

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