堀真琴

堀 真琴の生涯と業績

堀真琴（ほり まこと、1898年5月24日 - 1980年1月16日）は日本の著名な政治学者であり政治家です。彼は宮城県仙台市に生まれ、名門の第二高等学校を卒業後、東京帝国大学法学部を修了しました。さらに、農学部や慶應義塾大学での講師を務めたのち、法政大学へとその教育の場を移し、講師から教授までの職責を果たしました。

政治活動の始まり

第二次世界大戦後の1947年、堀は日本社会党から全国区に立候補し、参議院議員に当選しました。彼の政治活動はここから始まりますが、1948年には党を離れ、労働者農民党の結成に関わり、中央執行委員に就任しました。1950年の第2回参議院議員通常選挙では東京都選挙区から再選を果たし、その後も学術文化の民主化に寄与し続けました。

学問と政界での影響

堀は1956年に政界を引退した後、愛知学院大学教授や中央労働学院長として高等教育に貢献しました。また、日本平和委員会や日本キューバ友好協会において理事長を務め、文化的活動を通じても平和と友好の理念を広めました。さらに、1965年から1979年にかけて安保破棄中央委員会の事務局長を務めるなど、彼の影響力は広範囲に及びました。

戦時中の発言

堀は戦後の護憲派や左翼論客として活動しましたが、戦時中には異なる立場を取っていました。彼は「大東亜共栄圏の理想」が実現に向けて進展していると述べ、戦争を称賛する発言をしていたことが記録されています。また、天皇を中心に国家が形成されているとする見解を示したこともあり、彼の戦時中の立場は後の評価に複雑な影響を与えました。

著作活動

堀は多くの著作も残しており、代表的な著書には「国家論」（1930年）や「政治読本」（1932年）、さらには「現代日本の政治過程」（1943年）などが含まれます。これらの作品を通じて、彼の政治思想や社会観を知ることができ、特に戦前から戦後にかけての日本の政治状況を反映した内容ばかりです。また、翻訳活動も行い、ハンス・ケルゼンの『国家概念研究』（1924年）やレオン・デュギーの『法と国家』（1935年）など、重要な外国の文献を日本に紹介しました。

論争と評価

堀の講演や著作は、ある時期には高い評価を受ける一方で、彼の戦時中の発言は後に物議を醸すこととなりました。この複雑な経歴は、彼を一面的に評価することを難しくしています。しかし、1975年には秋の叙勲で勲二等瑞宝章を授与され、社会への貢献が認められました。彼の生涯は、日本の政治や文化に対する深い探求と情熱を示すものと言えるでしょう。

堀真琴は、戦後日本の政治と学問の発展において重要な役割を果たした人物です。その業績は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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