堀雅昭

堀雅昭：近現代史を掘り下げるノンフィクション作家

堀雅昭（ほり まさあき）氏は、1962年5月6日生まれの日本のノンフィクション作家です。地方に在住し、編集ディレクター、UBE出版の代表としても活躍しています。山口県宇部市で生まれ育ち、自身のルーツや地域に密着したテーマを深く掘り下げた作品を数多く発表しています。

生い立ちと学歴

1962年、山口県宇部市の一般的な家庭に長男として生まれた堀氏は、宇部市立藤山小学校、同藤山中学校、山口県立宇部高等学校理数科を卒業しました。高校では、後にアニメ監督として名を馳せる庵野秀明氏の2年後輩にあたります。その後、山口大学理学部生物学科に進学し、千葉喜彦研究室で学びました。

キャリアの変遷

大学卒業後は、九州の製薬会社研究所で薬理研究に携わりました。その後、公立中学校の臨時教員や非常勤講師などを経て、作家活動をスタートさせます。2022年8月には、著書『宇部と俵田三代』の出版を機に、自身の出版社であるUBE出版を立ち上げました。

主な作品とテーマ

堀氏の作品は、家系に関わる歴史的な出来事や人物に焦点を当てています。曽祖母の家系に関わる椿八幡宮近くの墓所の調査や、毛利家文書などの文献取材を通じて、以下のような作品を発表しています。

『靖国の源流　初代宮司・青山清の軌跡』（2010年、弦書房）：靖国神社の初代宮司である青山清の生涯を追った作品です。
『琴崎八幡宮物語』（2011年、琴崎八幡宮）：地元の琴崎八幡宮の歴史を描いた作品です。
『靖国誕生』（2014年、弦書房）：靖国神社の成立過程を詳細に解説しています。
『靖国神社とは何だったのか』（令和2年、宗教問題）：靖国神社の歴史的意義を多角的に考察しています。

また、祖父である堀磨が朝鮮総督府に勤務していたことがきっかけで、歴史的な人物や出来事にも関心を広げ、以下の作品を執筆しています。

『寺内正毅と近代陸軍』（2019年、弦書房）：寺内正毅と日本の近代陸軍の形成について考察した作品です。
『井上馨　―開明的ナショナリズム』（2013年、弦書房）：継母ヒサの祖父が関係する井上馨の生涯と業績を、新資料を基に描いています。この作品はNHKの番組「歴史秘話ヒストリア」で取り上げられ、井上馨の百回忌法要では追悼講演の講師を務めました。
『鮎川儀介　―日産コンツェルンを作った男』（2016年、弦書房）：井上馨との関係から、日産コンツェルンの創業者である鮎川儀介の生涯を丹念に描いた作品です。この作品は山口放送でテレビ番組化され、全国放送もされました。
『関門の近代　―二つの港から見た一〇〇年』（2017年、弦書房）：祖母の家系である徳山の久野家の資料を基に、関門地域の近代史を考察した作品です。
* 『村野藤吾と俵田明　ー革新の建築家と実業家ー』（2021年、UBE出版・弦書房）：宇部市出身の建築家・村野藤吾と実業家・俵田明の生涯を描いた作品で、和辻哲郎文化賞の最終候補にも選ばれました。

作品の特徴と評価

堀氏の作品は、徹底した文献調査と綿密な取材に基づいており、歴史的な事実を詳細に描き出すだけでなく、個人の物語や感情を巧みに織り交ぜています。これにより、読者は歴史的な出来事をより身近に感じることができます。また、自身のルーツや地域に深く根ざしたテーマを選ぶことで、歴史に対する新たな視点を提供しています。

その他の活動

堀氏は、Twitter（@horimasaa）で情報を発信しています。

まとめ

堀雅昭氏は、家系や地域を深く愛し、その歴史を後世に伝えるために精力的に活動するノンフィクション作家です。彼の作品は、歴史に対する深い洞察と人間ドラマが融合した、読み応えのあるものばかりです。

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