塚原村

塚原村の概要

塚原村（つかはらむら）は、かつて富山県射水郡に存在した村です。現在の射水市の西部、旧新湊市の南西に位置しており、歴史的な背景を持っています。

歴史

始まりと地名の由来

塚原という地名の記録は1456年まで遡ることができ、「越中国塚原保」として記載されています。この地域はかつて三歩市村（さんぶいちむら）と呼ばれており、1596年より前に寺塚原村と沖塚原村に分かれたとされています。さらに朴木地区の起源は800年以上前に形成された部落に由来し、松木はかつて「古屋敷」と称されていましたが、住民の増加に伴い、現在の場所へ移動しました。

川口地区は元々川口郷の中心地であり、庄川との密接な関係がありました。この地域では源平時代に放牧が行われ、現在でも「馬市」と呼ばれる地名が残っています。地域開拓の歴史もあり、慶長年間には信濃国からの移住者がこの地区に定住したとも言われています。

宮袋は、後醍醐天皇の時代に宗良親王が北陸に逃れて滞留した際に名付けられたとされ、坂東地区は沖塚原の出村で、上杉謙信の攻撃に関する伝承があります。

村の編成と沿革

1889年4月1日の町村制施行により、射水郡の寺塚原村、沖塚原村、松木村、東朴木村の区域をもって塚原村が発足しました。村役場は大字寺塚原に設置されましたが、1922年には松木に移転しました。

塚原村の新湊市への編入

塚原村は1950年に高岡市との合併を決定しましたが、議会内での対立や高岡市の反発により合併は難航しました。分岐する意見の中で、1953年9月に臨時村総会を開き、多数決で新湊市への編入が決議されました。そして、富山県は10月3日付で新湊市への編入を公式に通知しました。

しかしながら、村の一部住民はこの編入に反対し、「塚原地区分離期成同盟」を結成、幾度も新湊市役所や県庁に対して分離を求める陳情を行いました。1954年5月には住民が新湊市役所で七日間の座り込みを実施し、1957年には小学校児童が登校拒否を行いました。このような運動は1959年にようやく新湊市と分離期成同盟の間で覚書が交わされるまで続きました。

参考文献

この村の歴史は、東京堂出版の『市町村名変遷辞典（1990年）』や新湊市史編纂委員会が編集した『新湊市史 近現代（1992年）』、さらに塚原村役場編纂による『塚原村沿革史（昭和21年）』などの資料からも知ることができます。塚原村は、富山県の廃止市町村の一覧にも記載されています。

もう一度検索