塩狩峠記念館

塩狩峠記念館は、北海道上川郡和寒町字塩狩に位置する、旧民家を再利用した記念館です。この記念館は、小説『塩狩峠』の作者として知られる三浦綾子が実際に暮らしていた旧宅の一部を移築し、一般公開されています。

概要

記念館として利用されている建物は、元々1961年に旭川市内に建てられた店舗兼用の住宅でした。三浦綾子は1971年までこの家で生活し、その期間中の1964年には、彼女の代表作の一つである『氷点』を発表し、小説家としての地位を確立しました。しかし、建物は老朽化のため1993年に解体されることになりました。解体後、周囲からは保存を望む声が上がり、三浦綾子自身もその意向に賛同したため、建物の一部資材は保管されることとなりました。

その後、『塩狩峠』の舞台となった和寒町が、町制100年記念事業の一環として、塩狩峠に記念館を復元することを決定しました。そして1999年、塩狩峠記念館は開館の日を迎えました。開館式典には、当時最晩年を迎えていた三浦綾子も、夫である三浦光世と共に参加しました。

記念館の敷地面積は250.8平方メートルで、そのうち三浦邸の復元面積は111平方メートルとなっています。記念館は通常、12月から3月までの期間は休館となりますが、『塩狩峠』の主人公のモデルとなった長野政雄の命日である2月28日には、特別に臨時開館されます。この日には、長野政雄を偲び、三浦綾子の作品に触れるために、多くの人々が訪れます。

塩狩峠記念館は、三浦綾子の文学作品に触れることができるだけでなく、彼女の生涯や思想に触れることができる貴重な場所です。また、塩狩峠という自然豊かな場所に位置しているため、四季折々の美しい風景を楽しむこともできます。文学ファンだけでなく、自然を愛する人々にとっても、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

関連項目

* 三浦綾子記念文学館

もう一度検索