塾一久

塾 一久（じゅく いっきゅう）

基本情報
塾 一久は1950年7月12日に石川県羽咋郡富来町に生まれ育ちました。俳優および声優として広く知られ、現在はケンユウオフィスに所属しています。彼の本名および旧芸名は熟田 一久（じゅくた かずひさ）です。

経歴

生い立ち

塾は小学生の頃から、海外ドラマの吹き替えに魅了され、将来はテレビに出ることを夢見始めました。高校では演劇部に所属し、文化祭での発表などを通じて演技に親しみましたが、父の反対を受け一時進学を断念。しかし、最終的には日本大学芸術学部演劇学科に進み、俳優としての基礎を学びました。大学入学後、文学座のオーディションに挑戦し、合格を果たしました。

キャリア

24歳の時に『天守物語』で初舞台を踏んだ塾は、1978年に文学座の正式な座員となります。この頃、多くの著名な演出家と出会い、特に木村光一氏や蜷川幸雄氏の舞台で演じる機会が多くありました。彼にとっての転機は、これらの経験から様々な役柄を演じ、確かな技術と実績を積んでいったことです。

また、俳優業に専念する一方で、生活費を稼ぐために居酒屋やレストランでのアルバイトを続けました。40歳を過ぎた頃からはテレビドラマや声優の仕事にも手を広げつつ、俳優と声優業を両立させることに挑戦しました。声の演技に対しては最初は戸惑いもあったものの、すぐにその難しさに気づき、やりがいを覚えました。

現在、彼は「いっきゅう組」と名付けた語りの会を主宰し、若手への指導も行っています。

人物

塾の性格は非常に優しく、柔らかな声を持つバリトンテノールです。茨城弁が特徴で、演技を通じて多くの人々に感動を与えてきました。彼は演じること自体が楽しく、舞台での大きな拍手や観衆の反応から多くの喜びを感じています。自身の演技で観客に感動を与えた瞬間が最高の幸せだと語っています。

一方で、「やりたい役をやれない」という職業的なジレンマも抱えており、それでも彼は役者を続けることを選びました。役柄に対する違和感を感じることもありますが、ポジティブな気持ちで演じることを大切にしています。

エピソード

舞台上での失敗も経験しています。セリフを忘れてしまい、その場でどうにか切り抜けたエピソードや、舞台上の不意の出入りで練習してきた流れを置き去りにされたこともありました。その時の緊張感は今でも鮮明に記憶に残っています。

趣味・嗜好

日々の忙しさの合間に、田舎で釣りや競馬を楽しむのが趣味です。また、悲しいけれど笑えるドラマ作品を好み、演劇における感情表現を重視しています。

彼の活躍は、演じるという行為が単なる生活の糧ではなく、自己表現であり、他者との関わりの中で生まれる喜びであることを示しています。塾一久は、今後も多くの舞台、映像作品でその才能を発揮し続けることでしょう。

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