増岡義教

増岡 義教（ますおか よしのり） は、日本の元アマチュア野球選手であり、主に投手として活躍しました。

経歴

大阪府の八尾高等学校に進学し、野球部で投手としてプレーしました。高校時代の最後の夏となる1967年、チームは全国高等学校野球選手権大会の大阪府予選で準々決勝まで勝ち進む活躍を見せましたが、この試合で近大付属高校に完封負けを喫し、甲子園出場は叶いませんでした。

高校卒業後は同志社大学へ進学。当時の関西六大学野球リーグは、山口高志投手という絶対的なエースを擁する関西大学が圧倒的な強さを誇り、全盛期を迎えていましたが、増岡氏は同志社大学の主戦投手として奮闘しました。特に1971年春季リーグでは、自身が10勝を挙げる活躍を見せ、チームを優勝に導きました。

大学卒業後、増岡氏は社会人野球チームである三菱重工神戸に入社。プロ顔負けの技術を持つ選手が集う社会人野球界で、彼はパームボールを得意球として武器に、チームの主要な投手として活躍しました。1974年の社会人野球日本選手権大会では、チームは準々決勝まで勝ち上がりました。この試合では、国鉄四国の落合登投手と息詰まるような投手戦を展開しましたが、惜しくも0対1のスコアで、9回サヨナラ負けという悔しい結果に終わりました。しかし、この大会での活躍が認められ、増岡氏は優秀選手賞を受賞しています。さらに1976年には、社会人野球最大の大会である都市対抗野球大会でも準決勝まで駒を進めましたが、日本鋼管との対戦で延長10回に及ぶ接戦の末に敗れ、決勝進出はなりませんでした。同年には、アマチュア野球の日本代表としても選出され、国際大会でプレーする経験も積んでいます。

翌年の1977年、増岡氏は都市対抗野球大会に神戸製鋼の補強選手として出場することになりました。神戸製鋼では、登記欣也投手とともにチームを牽引する二本柱として、順調に勝ち進んでいきました。そして迎えた決勝戦では、強豪の熊谷組を相手に見事完封勝利を飾り、神戸製鋼にとって初めてとなる都市対抗優勝をもたらしました。この大会での圧倒的なパフォーマンスにより、増岡氏は最も優れた選手に贈られる橋戸賞を受賞。また、同年のインターコンチネンタルカップの日本代表に選ばれたほか、社会人ベストナインにも輝くなど、個人としても最高の栄誉に包まれた一年となりました。しかし、この輝かしい活躍を見せた1977年シーズン限りで、増岡氏は現役生活に終止符を打ち、引退しました。

現役引退後は、出身地である兵庫県明石市に戻り、家業を継ぐ傍らで野球に携わり続けました。特に高校野球の指導者として情熱を注ぎ、徳島商業高校では実に25年もの長きにわたり指導にあたりました。また、育英高校など、その他の学校でも投手育成を中心に指導力を発揮し、後進の指導に尽力しました。

増岡氏は、大学、社会人野球のトップレベルで活躍し、特に社会人野球では日本一投手に輝くなど数々の実績を残しました。引退後も長く高校野球の現場で若手選手の育成に貢献し、その野球人生を通じて日本の野球界に多大な足跡を残した人物です。

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