増本甲吉

増本甲吉

増本甲吉（ますもと こうきち）は、1904年1月1日に生まれ、1991年3月14日に没した日本の官僚です。彼は拓務省と内務省で重要な役割を果たし、特に最後の官選岐阜県知事としての業績で知られています。

生い立ちと初期の経歴

増本甲吉は、現在の大阪府羽曳野市で増本有吉の五男として生まれました。彼は学業優秀で、第三高等学校を卒業後、1925年11月には高等試験行政科試験に合格しました。1926年には東京帝国大学法学部法律学科を卒業し、その後、日本電力株式会社に入社しました。しかし、彼の関心は官僚の世界にあり、1929年に拓務省に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。

官僚としての活躍

拓務省入省後、増本は拓殖局に所属し、その後、台湾総督府事務官、拓務書記官、樺太庁内務部長、石川県内務部長など、数々の要職を歴任しました。これらの職務を通じて、彼は植民地政策や地方行政に関する豊富な経験と知識を培いました。

岐阜県知事として

1947年3月、増本甲吉は岐阜県知事に就任しました。これは、前任の桃井直美が知事選に出馬するために辞任したことに伴うものでした。彼は県議会議員選挙や知事選挙などの重要な行政を執行し、同年4月に知事を退任しました。彼の知事としての期間は短期間でしたが、戦後の混乱期における地方自治の確立に貢献しました。

国会職員として

1957年、増本は参議院社会労働委員会調査室専門員となり、その後、法務委員会調査室専門員を務めました。彼は国会における政策立案の支援に尽力し、1965年1月に定年退職しました。彼の国会職員としての活動は、法律や社会政策に関する彼の深い知識と経験を活かしたものでした。

死後

増本甲吉は1991年3月14日に亡くなりました。彼の業績は、日本の官僚制度と地方自治の歴史において重要な位置を占めています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 『現代物故者事典 1991〜1993』日外アソシエーツ株式会社、1994年。

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