声問川

声問川（こえといがわ）

声問川は、北海道北部にある稚内市を流れ、宗谷湾に注ぐ美しい河川です。この川は、別名として幕別川（まくべつがわ）とも呼ばれており、地域の水系の中でも特に重要な位置を占めています。二級水系に分類されるものの、実際には中・下流部が河川法施行令第41条に基づく「指定河川」として、国土交通省及び北海道開発局の管理下に置かれています。特に、幻の魚として知られるイトウが生息しており、釣り愛好者にとって魅力的なスポットとなっています。またこのエリアは、環境省によって「日本の重要湿地500」にも指定されており、その生態系の重要性が認識されています。

地理的特徴

声問川は、稚内市の南東部、エタンパック山の付近に源を発しています。初めは西に流れ、それから沼川地区近くで炭焼の沢川や宇流谷川と合流し、北西の方向に進みます。その後、北寄りに進路を変え、大沼（シュプントウ沼）の東岸を通り過ぎると、声問地区市街地を経て最終的に宗谷湾に流れ込みます。この流域には、ボート競技専用のコースも設けられており、日本ローイング協会からC級の認定を受けているため、スポーツ活動にも利用されています。

名称の由来

声問川の名前の由来はアイヌ語の「シペッ（si-pet）」（本流の・川）から来ていると言われています。しかし、後に和人によって河口付近の声問地区からこの名が付けられました。また、上流域の地名「幕別」が起因となって幕別川と呼ばれたこともあります。

治水措置

声問川の中・下流部は低湿な平野を流れ、河川の流れはかなり蛇行していました。このため、頻繁に大雨や雪解け水による氾濫が発生していました。特に下流部は、大沼に一旦注ぐ形になっており、潮位の影響を受けやすかったため、1953年にこの地域が「特殊河川」（現在は「指定河川」）として認定され、河川改修が始まりました。1958年から4年間にわたって行われた工事では、声問川と大沼を切り離すための直線化工事や他の諸部分の直線化、川の掘削及び堤防の設置が行われました。これにより、現在ではこの川が氾濫することはめったにありません。

支流について

声問川にはいくつかの支流があります。主なものには、五ノ沢、炭焼の沢川、宇流谷川、チフクシュナイ川、タツニウシュナイ川（下流1.6kmが指定河川）、パンケシュプナイ川（下流1.0kmが指定河川）、ウツナイ川、大沼を流れるサラキトマナイ川や沼の沢川などが存在します。これらの支流も声問川の生態系や水質に影響を与えており、地域の自然環境を豊かにしています。

声問川は、自然の美しさと環境保護の重要性を兼ね備えた地域であり、今後も豊かな生態系を守っていくことが求められています。

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