壺井勘也

壺井勘也（つぼい かんや）は、1951年8月17日に大阪府で生まれた日本の彫刻家です。現在は、大阪芸術大学芸術学部環境デザイン学科の教授として、教育活動にも力を入れています。

経歴

壺井氏は明星高等学校を卒業後、大阪芸術大学芸術学部美術学科で彫刻を専攻し、1977年に同大学を卒業しました。彫刻家としての道を歩み始めると同時に、教育者としても活動を開始し、現在に至るまで母校で後進の指導にあたっています。

彫刻家としての評価と受賞歴

壺井氏の芸術家としての才能は早くから認められ、キャリアを通じて数多くの美術賞を受賞しています。主な受賞歴は以下の通りです。

1978年：安田火災美術財団賞
1979年：関西二科展で二科奨励賞、二科展で特選を受賞
1982年：関西二科展および兵庫県二科展で二科賞を獲得
1984年：第3回安田火災美術財団美術展にて新作秀作賞に輝く
1985年：神戸具象彫刻大賞コンペで優秀賞
1987年：関西二科展で二科賞、二科展で会友賞を受賞

これらの受賞は、壺井氏が各年代において、主要な公募展やコンクールで一貫して高い評価を得てきたことを示しています。

主な作品とプロジェクト

壺井氏は、美術館での作品発表に加え、多くの公共空間における大規模なモニュメントや環境造形を手がけています。その活動は国内にとどまらず、海外にも及んでいます。

1989年：福島県福島市のコミュニティー道路計画に関連し、建設省手づくり郷土賞を受賞。
1990年：国際花と緑の博覧会のスポットガーデン（守口市出品）にモニュメントを制作。
1990年：愛知県大府市の愛知の森 大府みどり公園に大型遊具とストーンドラゴンを制作。
1990年：山口県下関市の山陽自動車道下松サービスエリアにモニュメントを制作。
1992年：アメリカ合衆国オハイオ州コロンバスのアメリフローラ庭園に、コロンブス上陸500年記念モニュメント「ToRo（雪月花）」を制作。
1997年：沖縄県浦添市の浦添大公園に複合遊具を制作。
1997年：カナダバンクーバーの国際アート’97エキシビジョンに招待出展。
2006年：大阪府石川河川公園の企画立案と施行実施に携わる。

これらのプロジェクトは、壺井氏の彫刻が自然や都市環境と調和し、人々の生活空間に豊かさをもたらすことを目指していることを示しています。

その他の活動

彫刻家としての活動に加え、2007年には帝国ホテル東京で開催された「書と造形」展に参加し、書家の婁正綱氏とのコラボレーション作品を発表するなど、異なる芸術分野との交流も行っています。

また、芸術以外の分野では、一時期政治活動に関わったこともあります。2006年10月には、第21回参議院議員通常選挙への出馬を表明し、大阪選挙区で国民新党から公認を受けましたが、翌2007年2月には公認を辞退しています。

壺井勘也氏は、長年のキャリアにおいて、彫刻家として数々の功績を残すとともに、公共空間における大規模な環境芸術プロジェクトを成功させてきました。さらに、大学教授として後進の育成にも貢献しており、日本の現代彫刻界において独自の地位を築いている芸術家です。

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