変形性股関節症

変形性股関節症について

概要

変形性股関節症は、関節軟骨が変化や磨耗を起こすことにより、周囲の骨が変形し、炎症を伴う病気です。この病気は、股関節の痛みや動かしにくさを引き起こし、日常生活に支障をきたすことがあります。

この疾患は大きく分けて、特に基礎疾患がない場合の一次性と、先天性や外傷による影響で発症する二次性に分類されます。日本では、発育性股関節形成不全に起因するものが多く見られます。また、軽微な形態異常がある場合もあり、骨の変形が進行することがあります。運動量が多い職業の人が発症しやすいことも知られています。

平均的な発症年齢は40歳から50歳であり、世界的にみても患者数は1.0%から2.4%とされています。

診断

日本国内においては、変形性股関節症の診断に明確な国際基準が存在しない状態です。そのため、日本整形外科学会ではX線に基づいた病期の分類が診断基準として用いられています。

診断基準は以下の通りです：

• - 前股関節症: 軽度の関節裂隙の不適合や骨梁の変化あり。
• - 初期: 関節面の不適合、関節裂隙の狭小化が見られる。
• - 進行期: 軟骨下骨質が一部接触し、骨硬化や骨嚢胞が認められる。
• - 末期: 広範な関節裂隙消失、顕著な骨棘形成などが見られます。

CTやMRIを使った検査も患者の状態を把握するのに有効です。また、二次的な変形性疾患が多いため、形態異常の測定も行われています。鑑別診断には、他の股関節疾患や腰、膝、動脈疾患が考慮されます。

治療

変形性股関節症の治療法として、保存療法と手術療法の2つがあります。保存療法は、患者への教育や運動療法、鎮痛剤の服用、装具の使用などから成りますが、効果が乏しい場合は手術が検討されます。

手術の選択肢には、関節の適合性を向上させる骨切り術と、人工関節に置き換える人工関節置換術があります。人工股関節は通常、10年から20年の耐用年数があり、特に若年者は初めに骨切り術を行い、後に人工関節へ移行することが一般的です。

参考文献

日本整形外科学会と日本股関節学会のガイドラインが参考にされています。

関連項目

• - 変形性膝関節症

もう一度検索