夕霧 (東雲型駆逐艦)

夕霧 (初代)

夕霧（ゆうぎり）は、大日本帝国海軍が保有した駆逐艦で、東雲型駆逐艦の3番艦です。この艦の名前は、後に別の艦艇、吹雪型駆逐艦「夕霧」にも使用されるため、初代の夕霧を区別するために「夕霧 (初代)」や「夕霧I」と表記されることがあります。

艦歴と運用

夕霧は1899年3月10日に、イギリスのソーニクロフト社で建造され、同年6月15日には横須賀に到着しました。入港から1年後の1900年6月22日に軍艦として編入され、駆逐艦としての運用が開始されました。

この艦は1904年、日露戦争が勃発した際に、第二艦隊第五駆逐隊に属し、重要な海戦である旅順口攻撃、黄海海戦、日本海海戦、そして樺太の戦いに参加しました。特に1905年5月27日の日本海海戦では、夜戦中に僚艦「春雨」と衝突し、艦首の損傷を被るも、沈没を免れ、翌日28日に佐世保に帰投しています。

艦種は1905年12月12日に駆逐艦に固定され、その後1912年8月28日には三等駆逐艦に再編成されました。1919年4月1日には雑役船として再編成され、潜水艇母船兼掃海船として「夕霧丸」に改称されました。1920年7月1日には特務艇として編入され、再び夕霧と名付けられ、1922年4月1日には標的船として雑役船に編入されました。最終的には1924年3月14日に廃船が認可されました。

艦長一覧

夕霧には数名の艦長が在任しており、その中には多くの著名な指揮官が含まれています。

• - 藤本秀四郎 少佐 (1898年3月8日 - 1898年3月29日)
• - 石田一郎 少佐 (1898年5月19日 - 1898年10月28日)
• - 矢島純吉 少佐 (1898年10月28日 - 1899年7月6日)
• - 富士本梅次郎 大尉 (1900年6月22日 - 9月25日)
• - 千坂智次郎 少佐 (1900年9月25日 - 1903年2月18日)
• - 西禎蔵 少佐 (1903年2月18日 - 1903年9月26日)
• - 鍵和田専太郎 少佐 (1903年9月26日 - )
• - 田代巳代次 少佐 (1905年12月12日 - 1906年3月20日)
• - 堀江鶴彦 大尉 (1906年3月20日 - 1907年5月17日)
• - 斎藤温海 大尉 (1907年5月17日 - 1909年5月25日) など、他にも多くの艦長が指揮を取っています。

終焉

長きにわたる活躍の末、夕霧は様々な変遷を経て最終的に廃船になりました。この艦は、大日本帝国海軍の歴史において重要な役割を果たした艦艇のひとつであり、その活躍や任務は多くの海軍関係者たちに記憶されています。夕霧の艦歴を通じて、当時の海軍の状況や戦闘における駆逐艦の重要性を垣間見ることができます。

もう一度検索