外れたみんなの頭のネジ

洋介犬氏によって手掛けられた日本のホラー漫画『外れたみんなの頭のネジ』は、ウェブコミック配信サイト『GANMA!』にて連載中です。2015年より開始され、その独特な世界観で注目を集め、「次にくるマンガ大賞」のWebマンガ部門にもノミネートされました。略称は「はずネジ」。2021年にはYouTubeアニメ化もされています。

あらすじ

平凡な女子中学生、七尾ミサキは、自分が暮らす街の住人たちが少しずつおかしくなっていく異変に気づきます。同時期に、彼女にしか姿が見えない謎めいた悪魔「べへりん」が現れます。べへりんは、周囲の人々の狂気を彼に信じさせれば助けてくれると持ちかけ、ミサキは恐怖に満ちた体験を語り始めます。しかし、街の狂気は増す一方。ミサキは戦慄すべき事件や巨大な陰謀へと巻き込まれていきます。

主要な用語

613: ミサキの小学生時代に未道未先が発表した発言。これが街を含む世の中を狂わせる原因とされ、作中では日本人口の5%がこれを信じた結果、奇行やカルトの流行、殺人、自殺者の増加を招いたと描かれています。
ビクの生首: 作中で語ると死を招くとされる恐ろしい怪談。舞台は昭和の関西です。
ヴィクテムアート事件: 遺体を芸術作品のように見立てて遺棄する連続殺人。宗教団体アサナシによる「聖業」として行われていました。
アサナシ: 宗教団体「朝ニ望ム叡智ハ無シ」の略称。夜を崇拝し、厳しい修行と教義で知られます。脱会者を引き止めるための「清浄」という技術を持ち、それが後のヴィクテムアート事件にも繋がります。
みみみ教: 未道未先を信奉する教団。詳細は謎に包まれています。

登場人物

七尾ミサキ: 本作の主人公。常識人ながら、頭のツノが特徴的な女子中学生。家族を失い、唯一見えるべへりんを頼ります。街の狂気の原因「613」に迫る中で、自身の忘れていた記憶や姉の死の真相と向き合うことになります。狂気的な第二人格「みさき」を内包しています。
べへりん / 七尾なぎさ: ミサキにしか見えない謎の悪魔。ユーモラスな一面もありますが、魔力でミサキを救います。その正体は、ミサキの兄である七尾なぎさ。過去の出来事からミサキに憎まれています。
ゴトちゃん / 後藤みちる: ミサキの親友。特異な能力を示唆されますが、怪談「ビクの生首」に関わったことから悲劇に見舞われます。
戸田せいら: ミサキのクラスメイト。穏やかな見た目に反し、狂気的なサイコパスの一面を持ち、ミサキへの依存を望んでいます。
未道未先: 「613」発言により世の中を狂わせた元凶。元日本総理大臣であり、言葉巧みに人々を扇動します。作中では「入院」措置が取られていますが、脱走を繰り返します。

物語は、狂気が日常を侵食する世界で、ミサキが自身のルーツと街の闇、そして人間関係の歪みと対峙していく様子を描き出しています。予測不能な展開と個性的なキャラクターが魅力のホラー作品です。

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