外側直筋

外側直筋について

外側直筋（がいそくちょくきん、英: lateral rectus muscle、ラテン: musculus rectus lateralis）は、眼球の動きに関与する外眼筋の一種です。眼球は、様々な方向を向く必要があり、これを可能にするには外眼筋の協調的な動きが不可欠です。外側直筋は、その名の通り、眼球を外側、つまり耳の方向に向ける役割を果たしています。

構造と起始

外側直筋は、視神経を包み込む構造である総腱輪の外側から始まり、眼窩（がんか）内の外側の壁に沿って走ります。この筋肉は眼球の外側の強膜（きょうまく）、いわゆる眼球の白い部分に付着しています。これにより、筋肉が収縮することで眼球が外側にスムーズに動くことができます。

血液供給

この筋肉に対する血液供給は、眼動脈の枝である前毛様体動脈と後毛様体動脈から行われています。これらの動脈は、筋肉を活発に機能させ、必要な栄養を供給する重要な役割を担っています。

神経支配

外側直筋は外転神経（頸髄第六神経）によって支配されています。この神経が外側直筋に信号を送り、収縮を促すことで、眼球を外側に向けることができます。外側直筋が正常に機能することで、目はスムーズに動き、周囲の物体を見ることができます。

外転神経の障害と影響

外転神経に異常が生じた場合、外側直筋はうまく収縮できなくなることがあります。この結果、対象物が2つに見える複視（ふくし）が発生します。特に、この複視は頭の側に位置する物体に対して顕著になることがあり、耳側での視覚の歪みを感じることになります。これは、外転神経麻痺の兆候も示しており、必ずしも外側直筋の単独の問題ではないこともあります。

重要な臨床的意義

外側直筋やその神経支配の異常は、頭蓋内圧の亢進（こうしん）など、深刻な疾患のサインであることが多いです。医学の観点から、外側直筋がどのように機能するかを理解することは、眼科医や神経科医が患者の症状を診断する際に不可欠です。

このように、外側直筋は眼球の動きだけでなく、全身の健康状態を示す重要な筋肉であり、その知識は医学的な観察にとって非常に価値があります。

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