外務省 (フランス)

フランスのヨーロッパ・外務省は、フランスの外交政策を遂行し、欧州連合（EU）内での関係を維持する上で中心的な役割を担う省庁です。

歴史

外務大臣の起源は、1547年に設置された外務卿に遡ります。当初は複数人が任命され、地域ごとに外交を担当していましたが、1589年には一人の外務卿に権限が集中しました。フランス革命後の1789年には外務大臣と改称されましたが、一時的に廃止された時期もありました。1980年代には対外関係省と称された時期もあり、2007年には外務・ヨーロッパ問題省となりましたが、後に外務省に戻りました。2014年には外務・国際開発省と称されましたが、2017年に現在のヨーロッパ・外務省という名称になりました。これらの変遷は、フランスの外交政策における優先順位の変化を反映しています。

庁舎

外務省庁舎はパリ7区のオルセー河岸に位置し、国民議会議事堂に隣接しています。この場所は「オルセー河岸」として知られ、外務省の代名詞となっています。また、この庁舎は第一次世界大戦のパリ講和会議の会場となった歴史的な場所でもあります。

任務

外務省の主な任務は以下の通りです。

国際情勢の把握: 世界中の在外公館からの情報に基づき、大統領および政府に対し、国際情勢に関する詳細な情報を提供します。
外交政策の立案: フランスの外交政策の基本方針を策定します。
国際関係の指揮: 外国政府との外交交渉、協定の締結、国際的な抗議活動など、国際関係を主導し、調整します。
在外フランス人の保護: 領事館を通じて、海外にいるフランス人の利益を保護し、支援を行います。

かつては外交に関する業務は外務省のみが担当していましたが、2007年に移民省が設立されたことで、一部の管轄が移管されました。その後、移民省は内務省に統合されました。

組織

外務省は、パリの中央行政機関、地方出先機関、そして世界中の在外公館によって構成されています。

中央行政機関

中央行政機関の主な組織は以下の通りです。

事務総局
儀典課
外務監督局
分析・予測・戦略センター
危機センター
政治・安全保障総局
国際連合・国際機関・人権・フランコフォニー局
戦略・安全保障・軍縮局
安全保障・防衛協力局
大陸ヨーロッパ局
アフリカ・インド洋局
北アフリカ・中東局
アメリカ・カリブ局
アジア・オセアニア局
欧州連合局
国際問題・開発・パートナーシップ総局
企業・国際経済局
開発・国際公共財局
文化・学術・研究協力局
プログラム・ネットワーク局
管理・現代化総局
人的資源局
財務局
情報システム局
庁舎・後方業務局
在外フランス人・領事局
法務局
通信・報道局
* 公文書局

在外公館

外務省は、世界中に約400の在外公館を有しており、その規模はアメリカに次いで世界で2番目です。これらの公館は、フランスの外交政策を世界中で展開するための重要な拠点となっています。

大臣

大臣は中央行政機関の長として、担当大臣、官房、報道官を指揮します。現在のヨーロッパ・外務大臣はステファヌ・セジュルネです。

職員

2013年の時点で、外務省の職員は約1万4800人であり、そのうちの約3分の2は在外公館に勤務しています。これにより、フランスは世界中で外交活動を展開しています。

外務省は、フランスの外交政策の中核を担い、国際情勢の安定と発展に貢献しています。

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