多号作戦

多号作戦（たごうさくせん）

多号作戦は、大東亜戦争末期に行われたフィリピン戦の一部で、日本陸軍と海軍が協力してレイテ島へ増援部隊を輸送した作戦のことを指します。この作戦は、一般にオルモック輸送作戦とも知られ、1944年（昭和19年）10月末から12月中旬にかけて、連続して行われました。

背景と発動の経緯

1944年10月17日、連合軍がレイテ湾に上陸し、フィリピンの地上戦が始まりました。その後、日本軍は海上決戦の期待を持っていたものの、実際には地上戦に切り替える必要がありました。昭和天皇の命により、日本陸軍はレイテ島での決戦へと方針を転換し、増援部隊の輸送が決定されました。

作戦の概要

最初の増援輸送は、運航命令に基づいて第35軍によって発動され、10月19日に実施されました。続いて、10月29日からは多号作戦が本格的に開始され、複数回にわたって作戦が繰り返されました。これらの輸送は、敵の制空権を前提にした装備と転職を基に行われました。

しかし、作戦の途中で連合軍の航空攻撃や海上戦闘が続き、多くの艦船が沈没するなど重大な損失を被りました。そのため、次第に輸送の難易度は増し、特に11月の初め以降の作戦では、連合軍の空襲による壊滅的な結果が生じつつありました。

作戦における困難

11月に入ると、アメリカ軍の攻撃が激化し、日本の輸送部隊は深刻な打撃を受けることになります。特に第3次から第9次にかけて行われた輸送作戦では、航空機による空襲や魚雷艇の攻撃を受け、多くの艦船が沈没しました。これにより、日本軍によるレイテ島への兵員輸送がほとんど不可能になっていきました。

特に11月11日には、アメリカ軍機動部隊の艦載機による猛攻があり、駆逐艦や輸送船団が全滅するという事態が発生しました。最終的には、これらの多くの作戦が失敗に終わったため、補給が途絶えてレイテ島の日本軍部隊が厳しい状況に追い込まれることになります。

終結とその影響

12月7日、アメリカ軍はレイテ島に再上陸し、その影響で多号作戦はほぼ中止となりました。残された日本軍部隊は、持久作戦に頼らざるを得なくなり、終戦に向けての道を辿ることになります。

多号作戦の結果、日本海軍は大きな損害を受け水上部隊は機能不全に陥り、フィリピン戦における日本陸軍の戦力も大きく減退しました。このように、多号作戦は戦局が厳しさを増す中で、ルソン島での地上戦に、持続的な影響を及ぼす結果となりました。

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