多羅尾伴内 (小林旭版)

映画『多羅尾伴内』の詳細

『多羅尾伴内』（たらおばんない）は、日本の映画界において1978年に公開された作品であり、小林旭が主演を務め、鈴木則文が監督を担当しました。この映画は、東映東京撮影所が製作し、配給は東映が行っています。併映作品として松田優作主演の『最も危険な遊戯』がありました。

キャスト

物語の中心となる多羅尾伴内役を小林旭が演じ、特に存在感を放ちました。他にも、歌手で女優の八代亜紀や、夏樹陽子、竹井みどり、成田三樹夫など多彩なキャストが名を連ねています。また、音楽シーンではアン・ルイスやキャッツ★アイも参加しており、歌謡映画としての要素も強く打ち出されています。重要な役を演じた俳優たちがそれぞれ魅力を発揮し、観客を惹きつける要素となっています。

ストーリー

物語は、東京K球場でペナントレース優勝決定戦が行われている最中、選手が突然倒れ死亡する事件から始まります。検視の結果、死亡の原因がアイヌの猛毒を用いた他殺であることが判明します。この事件の真相を解明するために、多羅尾伴内が巻き込まれていくさまが描かれています。物語は謎解きとアクションの要素が絡み合い、興味深い展開が続くことになります。

製作背景

この映画は、かつての人気シリーズである『多羅尾伴内』をリメイクしたものであり、当時の東映社長岡田茂の企画によって実現しました。原作は小池一夫・石森章太郎による劇画作品で、これを基に、比佐芳武の弟子である高田宏治が脚本を担当しました。また、鈴木監督は過去に女性版の『華麗なる追跡』を手掛けた実績があり、娯楽映画としての特性を理解していました。これにより、小林旭は荒唐無稽なヒーローを堂々と演じることができ、観客に強い印象を残しました。

評価と影響

公開後、本作は高い評価を受け、特に小林旭の存在感が際立ちました。映画評論家の小林信彦は、「美人女優を引き立て、本作により真のスターが小林旭である」と称賛しました。また、多羅尾伴内はその後も映画化されることはなく、敢えて挑戦的なテーマを扱った作品として記憶されています。しかし、続編『多羅尾伴内 鬼面村の惨劇』は予想以上の反響を得られず、興行的には成功を収めることができませんでした。

音楽

音楽は映画にとって重要な要素であり、主題歌「霧の都会」は小林旭が歌い、劇中にも多くの歌謡シーンが盛り込まれています。挿入歌も豊富で、八代亜紀やアン・ルイスの楽曲がファンを楽しませました。

総評

『多羅尾伴内』は、ただの娯楽映画と言うにとどまらず、アクションや音楽、ミステリーの要素を融合し、多様な観客層にアピールした作品です。これにより、日本映画の中でも特別な位置づけを果たしています。

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