夢の中へ (映画)

夢の中へ

2005年6月11日に劇場公開された日本の映画作品。監督は鬼才として知られる園子温が務め、自身の脚本を基に映像化された。作中に流れる井上陽水の代表曲「夢の中へ」が、この映画の着想源となっている。

あらすじ

物語の中心となるのは、鈴木という名の男。かつてトレンディドラマなどで脚光を浴びた過去を持つが、現在は俳優として伸び悩み、退廃的な日々を送っている。共に暮らす女性パートナーであるタエコとは関係が冷え切っており、さらに舞台女優のランコとの不倫関係に溺れている。そんな中、彼は自身が性感染症に罹患していることに気づき、自己の堕落した現状を突きつけられる。

現実世界での苦悩と停滞とは裏腹に、鈴木の精神世界、特に夢の中では奇妙な変容が起きる。彼は夢の中で、テロリストとして行動する佐藤や、激しい尋問に耐える容疑者・中村として登場し、全く異なる人生を生きる。現実と非現実、覚醒と睡眠の境界が曖昧になる「夢うつつ」の状態の中で、彼は故郷への帰省を決める。実家に戻った鈴木は、妹を同窓会に同伴する。しかし、旧友たちとの再会の場で酒に酔い、気分が高揚した末に、彼は突如として会場を抜け出してしまう。そして、夜の静寂に包まれた故郷の道を、井上陽水の楽曲「夢の中へ」を口ずさみながら、狂おしいように駆け抜けるのだった。主人公の現実逃避と内面世界の混乱が、楽曲の持つ独特の浮遊感と重なり合い、物語は予測不能な展開を迎える。

キャスト

主要な登場人物を演じたキャストは以下の通り。

鈴木ムツゴロウ：田中哲司
タエコ：夏生ゆうな
ランコ：市川実和子
ユウジ：オダギリジョー
ケイジ：村上淳
タエコの友人：小嶺麗奈
鈴木の父：麿赤児
演出家：温水洋一
町田：岩松了
その他：菜葉菜、手塚とおる、臼田あさ美、湯山大一郎、吉田康平、櫻井ゆうこ

個性的な俳優陣が、園子温監督の世界観を彩る。

スタッフ

本作を制作した主なスタッフは以下の通り。

監督・脚本：園子温
プロデューサー：浅野博貴、鈴木剛
主題歌歌唱：4n（河瀬直美 & HAKO）

園子温監督が脚本も兼任し、自身のビジョンを色濃く反映させた作品となっている。

参考文献・外部リンク

本作に関する情報は、以下の参考文献や外部リンクでも参照可能。

参考文献：モルモット吉田、松江哲明著「園子温映画全研究1985-2012」
外部リンク：
公式ホームページ
夢の中へ - allcinema
夢の中へ - KINENOTE
* 夢の中へ - IMDb（英語）

これらの情報源を通じて、作品のより深い背景や評価を知ることができる。

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